ますます巧妙な手を使うドイツのワルたち

keylock悪名高い Schlüsseldienst

先日,ケルンの市民団体が,あまりにも悪どい商売を続けている錠前屋を提訴しただけではなく,法的に市民を守るようケルン市に訴えたニュースが流れていました。確かに,職業電話帳に大きな広告と電話番号しか載せていない錠前屋の商売方法のテレビルポも見たことがあります。

自宅に帰って自分のポケットを探ると鍵がない。自動ロックのアパートで鍵を部屋に置いたままドアを閉めてしまった。多くの人が一度は経験する悪夢です。
しかも,そういうことはなぜか夜中や週末など,タイミングの悪いときに起こってしまうのです。
そこで手にする電話帳。近所(だと思える)電話番号をダイヤルする人が多いと思います。
とにかく早く来てくれればいいと願いながら。

ドイツのイエローページに掲載されている多くの「緊急」錠前屋の電話番号は,どのような電話番号であれ,ドイツ全国からのセンターにまずつながれます。そこから最寄りに住んでいる末端の錠前技術屋さんに電話連絡がなされ,その人が訪問するわけです。
ですから,近所だと思ったのに1時間も待つことに。そして電話で聞いた料金に,交通費や時間外の割増料金が加算されることになったりします。そして,彼らはすでに某組織と契約を結んでいるので,5秒で終わっても「いやぁ本社から決められている定料金ですから・・」といって法外な料金を請求するわけです。人によっては,早く終わると「なんだ」と思われるので,わざと時間を延ばしたり,高い料金を請求するために,錠前の複雑さを口実に不要に錠前を壊したりすることもあります。以上,ルポやニュースのコメントです。

知っておきたい自分の住まいの錠前の構造

錠前のプロはびっくりするくらいどんな錠前でも即座に開けてしまうのはご存知のとおり。
全方向に支柱がついたような頑丈なドアや近代的な二重ドアなどを除くと,プロは一般のほとんどの錠前は針金を差し込むだけで開けます。
ですから,モダンで高価な錠前で守られている人は,料金が高くなることを覚悟しつつ,万が一壊さざるを得ないとなったら,新たな取り付け料金も考慮して,別の方法(窓から入るなど)も検討したいものです。

真面目な錠前屋さんの見分け方

- 電話番号が 0180 で始まる錠前業者は避ける
- 電話をした時点での見積もりと実際の請求料金が同じ
(技術者の到着時に改めて聞いたとき,より高い交通費を請求された場合など)
- ドアや錠前を損傷させない(きれいに開錠するのがプロ)

錠前屋さんの料金

家屋の鍵を開ける料金はもちろん一定ではありませんが,標準的な料金があるので,目安として頭に入れておくといいでしょう。

大きな都市や町の住宅地で,純粋の移動に約15分,仕事に約15分を要した場合:

週日の労働時間帯:  150 ユーロ前後
労働時間外および土曜日: 200 ユーロ前後
日曜・祭日・真夜中: 250 ユーロ前後

以上,ドイツ連邦金属業組合(Bundesverband Metall BVM)が定めている価格指針で,消費者組合も認めている適正料金です。小さな町や田舎の場合は約2割ほど安くなるようです。すべて,付加価値税込みの最終料金です。
因みに,デュッセルドルフ錠前業組合は,24時間サービスを提供している会員企業に対して「緊急の鍵開け料金は一律159ユーロ」にすることを奨励していますが,時間外割増は含まれていませんので,この159ユーロは週日の9-18時に適用される料金となります。

ですから状況や錠前屋によっては,数割高くなることがあるかも知れませんが,数百ユーロ以上の料金を現金で即支払うように請求された場合は要注意。団体や警察は,そのような請求は拒否するよう勧めています。いずれにしても料金明細が記された請求書の郵送を頼むのが一番です。
即現金で支払わないならばまたドアを閉める,などと云われたケースもあるようです。その際は警察に電話してください。

しかし,自由価格とはいっても,弁護士に依頼すべきほどの法外な料金とはどの程度なのか。週日で500ユーロ,週末や真夜中で1000ユーロ。このような料金を請求されたら,まず支払わずに弁護士などに相談しましょう。専門家によっては週日ならば200ユーロでも法外だと云いますが,錠前屋からの反論も見られます。
過去の裁判の例では,上記の標準料金よりも100%以上高い料金が請求された場合は請求額が無効になっています。ただ,高くてもすでに支払った後の払い戻しは,裁判に持ち込んでも勝つ見込みはないようです。
ドイツの消防車の出動料金は一回一律800ユーロと書いてありました。
ベストは,万が一のためにも,普段から近所の錠前屋さんと少しでもコンタクトをとっておいたほうがよさそうです。

支払い:

多くの業者はまず,現金で即支払ってくれるか話してきます。
見積もりと同料金,または想定していた料金だった場合は,現金を持ち合わせているならば支払って問題ない。
料金を確認しなかったり,想定外の高額だった場合でも,銀行振り込みや(引き落としのための)口座番号の記入を求められた際は応じても良い。
(ドイツの口座引き落とし "Lastschrift" は,6週間以内であれば理由なく再び引き落とされた額を戻すことができるので,専門家などに請求額の正当性を調べる余裕がある。請求書に沿った振込みの場合は,支払い前に専門家に相談できる)

結論:

- 電話での依頼時に料金を確認する。全込み料金(Pauschalpreis)かどうかも尋ねましょう。
- 技術者の到着時,仕事を始める前に再度料金を確認する。
- 何か理由をつけられて,高い料金を云われ,納得がいかない場合は拒否して帰ってもらいましょう。
  その際の交通費も支払う必要はありません。
- 電話で料金を確認して技術者が到着。でも電話で確認したけど後で料金が高いと思い直した場合,または技術者の到着前に自力で何とか解決してしまった場合などは「不要になったので帰ってください」とは言えません。そのような場合,交通費または多少上乗せした損害賠償代の支払いが必要です。基本的に,電話で納得して依頼した仕事のキャンセルは可能だけれども,必ず業務開始前に口頭契約を取り消す必要があります。

ヒント:

以上の説明は,錠前屋に限らず,生活で不意に必要となる(トイレ・下水菅のつまり,電話回線の敷設)技術者(Handwerker, Techniker)の仕事に適用されます。
ドイツの人件費が高いのはご存知のとおり。短時間で終わる仕事は15分ごとに計算されますが,ひとりの人の1時間の人件費は付加価値税も含めて80ユーロ前後です。
30分以内で終わる仕事でも,交通の時間・費用を含めると,約150ユーロが標準的な料金となります。
ただ,ひとりで十分できる仕事なのに2人やってきたりします。見習いの可能性もあるので,請求書の明細を確認しましょう。

PS:

インターネットで偶然見たサイトで,Notdienst - Schlüsseldienst のリスト表示ページがありました。
一番安いのは週日の労働時間帯で39ユーロ,時間外や週末でも59ユーロ。本当かどうか保証はもちろんできませんが一応ご参考までに・・・

>>> フライブルクの緊急対応錠前屋