欧州諸国からネットに発信

website 640一般データ保護規則の施行により,世界で一番厳しい条件が課されつつある欧州のネット環境


これまでは欧州各国で定められた規則が優先されていたため,サイトの所有・公開における条件は,欧州諸国内でも国によって異なっていましたが,2018年5月25日に施行されたEUの一般データ保護規則により,一律の条件が適用されることになります。

まだ個人サイトに罰金が課されたり,警告を受けたというニュースは聞きませんが,欧州諸国でWEBサイトを公開している人は,自分のサイトが法に準拠していることを改めて見直さなければならない時期が来ています。

● サイト発行者の身分証明
● 著作権保護
● 個人情報の保護

基本的にはこれだけですが,サイトの規模,目的,言語,公私を問わず,特に個人情報の保護に関する規定は多岐にわたり,自分のサイトがどのように対応及び処理しているかを詳細に説明する必要があるのです。

WEBサイト発行者を明確に示すための Impressum(Imprint)

家族・仲間専用サイトのような完全なプライベートサイトでない限り,欧州から公表しているすべてのWEBサイトでは,サイト発行者を明確に示さなければなりません。
.de ドメインを持ったサイトの所得者(公表者)は Impressum ページが義務となっていますが,About Us のページに発行者に関する情報が記されていれば認められます。
.com などその他のドメインを持ったWEBサイトでは,事業を目的としているサイトの場合に発行者の明示義務(§§ 6 TDG, 10 MDStV)となっていますが,注意を要するのは,ブログのような個人サイトでも,収入の有無にかかわらず,広告リンクやバナーなどが掲載されている場合は,業務サイトとして取り扱われるので Impressum は欠かせないページになります。

記載項目:

- サイト所有者名
- サイト所有者名の住所
- 連絡先(電話番号,ファックス番号,メールなど)
- 企業・団体などの場合,代表者名
- 商業登記番号,納税番号

注).de ドメインの正式な所有者は,denic.de などで調べることができますので,ドメインの正式な登録者名と発行者(Impressum)の氏名が一致していない場合,問題になる恐れがあります。

逆の言い方をすれば,.de ドメイン所有者の身元はドイツのメディア管轄局にすでに把握されているので,偽証がない限り信頼性のあるサイトという認識もありますが,サイトで不正があればすぐに目を付けられてしまいます。

基本的には,サイト発行者に関する情報が記された独立ページが存在し,サイト上のどのページからでもサイト発行者ページへのリンクがはっきりと記されていれば良し,となっています。
通常は,上記のような項目の情報を記した Impress または About us のページの作成後,サイトのどのページからでもいつでも見つけられるリンクを付けるか,各ページにサイト所有者情報を記すか,またはページ,リンク,各ページ掲載のすべてを置く,などの方法を用いているサイトが一般的です。
コンタクト(問合せ)は,通常はサイト閲覧者はメールアドレスまたはフォームにリンクされていると考えるので,サイト発行者ページとしては無効という判決が一度ドイツで出されています。
また,略称の氏名だったことにより罰金が下された例もあります。
連絡先は,即連絡が取れる,電話番号,ファックス番号,メールアドレス,またはそれらすべてですが,フリーダイヤルなどは不可。

法人の場合は,正式な社名と代表者名,およびレターヘッドと同様に詳しい住所の記載が必要で,私書箱のみは不可。
サービス専門ダイヤルなどを保持している場合は管轄の許可を取得している証明が必要です。
法人の場合は商業登記番号,医師や弁護士など個人事業主は同業者組合など,属している団体名を記載します。
§ 27a UStGに沿った納税番号(Umsatzsteuer-Identifikationsnummer)を取得している人または法人は,該当番号を記載。
弁護士,医師などは,事業を営んでいる人の個人情報および業務内容に関する詳細な説明が必要です。

個人情報を収集しているサイトは,さらなる説明要

まずは,発行者に関する明示ができたら,最低限の規則は守っている,と考えていいと思います。

しかし,一般データ情報保護規則においても,最も重要な点は個人情報の保護なのですが,個人を特定できなくても個人情報(?)という,個人情報の定義の理解から作業は始まります。
サイトにアクセスして来た人のデータ情報を自動的に収集して保存する,例えばクッキーと呼ばれる,ほとんどのサイトに設定されている機能も,個人情報の収集行為にあたります。
独立したユーザー登録を行っていなくても,コメント欄などでメールアドレスが残るのも個人情報の収集に該当します。
世論や投稿記事などが掲載されているサイトでは,サイト側が発行している情報と外部からの投稿記事やコメントの違いが明確に分かるような構成にしなければなりません。(§ 10 Abs. 3 und 4 MDStV)

オンラインショップを営んでいる人は法人・個人にかかわらず,さらに詳細な情報ページが必要になります。

WEBサイト公開で守るべき法規がすべて記されたインターネット法というような法律は存在せず,下記のような様々な法規,特に,1997年に施行,2002年に改正された通信サービス法(TDG: Teledienstegesetz)およびメディアサービス条約(MDStV: Mediendienstestaatsvertrag)をはじめとして,次のような法律が「インターネットで公表した人」すべてに適用されます。

民法: Bürgerliches Gesetzbuch (BGB)
連邦データ保護法: Bundesdatenschutzgesetz (BDSG)
メディアサービス条約: Mediendienste-Staatsvertrag (MDStV)
青少年メディア保護条約: Jugendmedienschutz-Staatsvertrag (JMStV)
刑法: Strafgesetzbuch (StGB)
通信サービス法: Teledienstegesetz (TDG)
通信サービスデータ保護法: Teledienstedatenschutzgesetz (TDDSG)
著作権法: Urheberrecht (UrhG)
不正競争防止法: Gesetz gegen den unlauteren Wettbewerb (UWG)
署名法: Signaturgesetz (SigG)
遠距離取引法: Fernabsatzgesetz (民法の一部改定)
その他,割引法などの特別な法規

プログラム提供元: CComment