marx w640レビで「預言者,カールマルクス」という番組が放映されていました。
今年はカールマルクスの生誕200年だそうです。

夜のテレビニュースでは,近代社会に最も大きな影響を与えた人のひとりなのに本を読んだ人は極めて少ない,というマルクス紹介でしたが,かく言う筆者も全く読んだことがないまま,それなりに常に意識し続けてきた人物がマルクスです。

しかしそれよりも,カール・マルクスおよび資本論をはじめとする多大な著作を通した彼の思想が共産主義の名の下に,レーニン,スターリン,毛沢東などの独裁者に悪用されたというのが,現在では既知の事実となっていることを知りませんでした。
ユンカー欧州連合委員長も「カール・マルクスの名の下に行われた数々の犯罪」とコメントしていました。

上記のテレビ番組でも,マルクスが「私はマルキシストではない。ただ,世界が向かっている方向を事実として述べているだけだ」というくだり,エンゲルスが「君は預言者なんだよ,ひと時代早く生まれたのかなぁ」と不安げなマルクスの表情に応えるシーンは,本当にそういう会話がなされたのか分かりませんが,とても説得力があります。

ジャーナリストとして働きながらドイツの検閲が厳しくなりフランスに逃亡。自由に物書きができるフランスの寛容さと文化に驚くマルクス。
しかし居住地をロンドンに移してからは,収入が無い極貧の生活,病になった息子を救うこともできずに失ってしまうカールマルクス,貴族の出身ながらマルクスと結婚したため苦労を続け,晩年に生活が経済的に持ち直した後も心身ともに疲労したまま亡くなる妻。マルクスの死後,自殺という形で亡くなる娘。
本当に,天才マルクスに関係したがために苦しい人生を送らざるを得なかったような劇的な家族ドラマでした。

テレビドラマでは専門家や学者の解説があいだあいだに入ります。
資本主義経済社会というのはブレーキが利かずに,ただただ膨れ上がってゆくのみ。金を生んで増やす経済活動の内容の質が問われることはなく,資本が資本を限りなくひとりでに生み続ける,留まることのない怪物のようなメカニズムを持った資本主義の真の姿を示し,それに警鐘を鳴らそうとしたのがカール・マルクス,だそうです。

マルクスの生誕地トリアで,大きなカール・マルクス像の除幕式がマルクスの誕生年5月5日に行われました。
旧東ドイツが地名をケムニッツからカール・マルクス・シュタットに変えてまで讃えた,共産主義の神様としてではなく・・・
怪物のような経済メカニズムに警鐘を鳴らすために・・・
しかし,この巨大な記念碑を贈呈したのは中国と聞いて,やや複雑な気持ちに。

 

プログラム提供元: CComment