日,偶然テレビで柔道世界選手権の決勝の様子が映され,体重の級は分かりませんでしたが,優勝したブラジルの選手が勝利決定の瞬間,バッと開いた胸には「家族」という文字の刺青。その意外性に微笑んでしまいました。

family 1 w640「家族」というテーマについては,特に戦後からパッチワークファミリーなどが増えたこともあり,とても複雑な感じがしますが,ヨーロッパでは南欧は家族の絆が強く,西欧の北半分の地域では弱い,というのが一般的な認識だと思います。

業務がたびたび妨害され,ときには暴力さえも受ける救急救命士のドキュメンタリー番組の中で,救急救命士のひとり,タイの若い女性がドイツ社会にとても驚いていました。
アパートは老婦人のひとり暮らしで,かけつけたときには死亡から3日ぐらい経っていたのです。道路を隔てた向かいの建物には娘の家族が住んでいたにもかかわらず・・・ 
彼女曰く,「私たちの国ではありえない。こんな冷たい家族は見たことがない。家族,ましてや親には毎日会うし,こんなに近くに住んでいたら,会いに行かないほうがおかしい」

また,偶然にも,夕方のラジオでは,介護の人材不足を補うためにドイツに来ているフィリピン女性の現状やドイツの介護に関する議論の様子が流れていました。
そこでも,フィリピン人の看護婦はとても悲しそうに,首を傾げていました。「1週間も入院しているのに誰も見舞いに来ないんです。尋ねてみると,夫人には家族はあるとのこと。フィリピンだったら家族全員が毎日見舞いに来て何時間も居座って,逆に迷惑がられると思いますよ」

そして,今朝の日経オンラインでは次のような記事を見つけ,あぁやっぱり,と思った次第。

フィリピンの若者の話を聞いて感じるのは家族を思う気持ちの強さだ。「父には決まった仕事がなく、僕が日本で働いて両親を助けたい」(高1男子、15)。「日本に行って大学生の弟の学費や一家の生活費を稼ぎたい」(看護師の女性、28)。この国は人口の約1割が海外へ出て活動している。支えは家族愛なのだろう。

日経「春秋」(2019年10月21日)

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