eu conflictsウクライナ戦闘,ギリシャ危機,難民問題,GREXIT など,欧州内で続いている10年来の問題が一挙に爆発しそうな気配になっています。
空気的には,これまで不満を感じながらも大きな声を直接上げることはなかった多くの市民が,それぞれの代表代理者に「そうだ!」と拳を上げている状態ですが,根底にある社会問題は,ほぼ同じ民族が強いイニシアチブを持ち,これまで自分たちの国と感じてきた国家内で他民族が増えるにつれ,正当(?)な国民と数世代ながらも少数派の移民との困難な共生問題が表に出て来たことによると思います。

特に,EU加盟を希望しながら長年待たされているトルコにとって,理由は民主主義基準が満たされていないことではなく,キリスト教圏のイスラム排他であるという認識が強く,今回堪忍袋の緒が切れた,と考えることができます。

エアドアン・レジームの権限拡大を問う住民投票を4月に控え,トルコ移民が300万以上(約半分がドイツ・トルコの二重国籍,エアドアン支持派と不支持派も半分づつ)いるドイツ国内で計画されていたトルコ外務大臣の集会が拒否されるとエアドアン大統領はドイツをナチ呼ばわり,続くオランダでの集会が拒否された時点でトルコはさらに激怒,オランダをファシストのバナナ国家と批判した上,国交停止まで実施するトルコと欧州との関係悪化が止まらない様相になっています。さらに,フランスのル・ペン率いる極右やオランダのヴィルダース極右の台頭,英国のEU脱退によって欧州諸国でのナショナリズムが高まる風潮の中,米国トランプ大統領のけしかけによって火が付いたような気がします。

欧州諸国がEUとしてまとまる大切さを説く市民運動に参加する人々が増えていることは小さな希望ではありますが,各国のナショナリズムの背景にある問題は複雑で,どの国のナショナリズム賛同者も「自国ファースト,自国民ファースト」のみを掲げ,具体的な問題や政策には興味を示さず盲目的に支持政党の旗を振るのみ,冷静に話し合おうと呼びかけているのは,まさに現在嫌われている知識人のみのようです。

エアドアン大統領がドイツやオランダをナチ呼ばわりして挑発すると,ドイツ・オランダも黙っておれず強く批判,エアドアン大統領の挑発は成功してトルコ国内ではさらにナショナリズムが盛り上がる。オランダやフランスでもイスラム排他の感情がさらに大きくなり,特に数日後に選挙を控えたオランダのウィルダース党首が漁夫の利を得て第一党になれるかも知れないチャンスが出てきたのは皮肉な結果です。

プログラム提供元: CComment