anders behring breivik 15年前,2011年7月22日にノルウェーで発生した銃乱射事件は,政府関係の建物を爆破した後,若者たちがキャンプ中の島に渡り,逃げ場の無いひとりひとりを狙い撃ち,最終的に77名を射殺,300名に傷害を与えたテロの規模もさることながら,ひとりの犯罪者とひとつの犯罪に対するノルウェーの対応のほうがはるかに僕の理解を超えた,ノルウェー人について考える事件でもありました。
ノルウェーの悲しみが大きいのは理解できても,ノルウェー人の怒りは見えなかったのを記憶しています。

ノルウェー人にはこれほどまでに,なにびとといえども人権の保有者という認識が常識になっているのか,限りなき呑気者なのか,説得力のある説明が僕の中で見つからないのです。
さすがに無罪にはなりませんでしたが,当時は正常ではなかったという理由で無罪も主張されていました。
ノルウェー国内の世論の詳細も,どのような討論がなされたのかについても分かりませんが,わずかひとりの明確な犯罪者の裁判を巡り,莫大な金額と期間を経た後に21年という刑期で一応決着がつきました。

anders behring breivik 2その後,食事などを含む待遇に対して受刑者(Anders Behring Breivik)は人権保護団体の支援を受け,「非人間的」な待遇改善に対して訴訟を起こしています。
隔離された空間ながら3部屋,薄型テレビ,プレイステーション,写真のような広い専用フィットネスジムなどが完備された,僕の住環境からすると羨ましい限りなのですが・・・

数十年ノルウェーに住んでいる人と話す機会があったので意見を聞くと,すんなりノルウェーの対応を支持していました。
しかし,数ヵ月後に,または1年後でもまた類似した事件が起こったら,同じように莫大な人員・期間・経費をかけ,少ない刑期,そしてこれほどまでの待遇を犯罪者に与えるのでしょうか。
それとも,こんな事件は120年に1回とか,社会学者などは知っているのでしょうか?

anders behring breivik 3ノルウェー人の金銭感覚に関しては,彼も疑問を投げかけていました。
「今,原油価格が下がっているので少し経済問題が出てきたけど,基本的にノルウェーにはいくらでも金があるんだよ。渡り舟があるのに,数百人の島民の希望で,ほとんど利用しない橋でも数百万ユーロ(数億円)ぐらいなら簡単に作ってしまう国だからね。だからノルウェー人は金にルーズな面があり,汗を流して金を稼ぐという感覚がかなり欠けていると思う。」

世界で最も豊かで,国民の満足感も世界最高レベルに達したノルウェー。
経済的な豊かさで,寛容さや人権も育つのでしょうか。

プログラム提供元: CComment