dirty harry20年以上も前だったか,「ダイハードは面白かった,久々に見ごたえがある映画だった」と聞いたので,友人にそれを伝えると,「やっぱりなぁ,みんなあんな映画を良いと思っているから駄目なんだよ」。
友人のがっかりした非推薦に反し,僕はその後,ダイハードを見て面白いと思いましたが,実際のところ友人の判断基準の方が正しいと思います。
若い頃は日本の仁侠映画なども結構好んで見ていました。ドラマとは云え,耐えるに耐えた末,正攻法では負かすことができない不条理に対して,法を犯した暴力で解決する行動に賛同する気持ちが,実社会でもときに浮かぶのですが,ほとんどの場合は理性のようなものが自分を再び落ち着かせます。

ヨーロッパ人が米国に対して抱いている感情はさまざまでも,いくつかの共通点があるように思われます。
そのひとつが,正義と悪との簡単な振り分けから来る,武器を用いた善人による悪の征伐。これ事態は大小や質の差はあれ,人間の普通の感情ですが,ヨーロッパのような成熟社会では簡単に征伐の行動に移ることはできません。世論も政治も認めないのです。

今回の米国の大統領選挙においても,僕の知っている限り,ヨーロッパのメディアでトランプ氏を認めるような意見を聞いたことは,彼が候補者になって以来,一度も見聞きしたことはありません。簡単にいえば,英国のEU離脱の国民投票と同じく,醜くて下品な言動の応酬を繰り返す低水準の大統領選挙。それでも,米国内ではヒラリー・クリントン氏を嫌っている人たちが極めて多いので泥沼化している,そういう論評だと思います。

昨日,トランプ氏を支持する米国のスターの名が発表されたニュースがラジオで流れていました。
チャック・ノリス,マイク・タイソン,そしてクリント・イーストウッド。
最近は映画監督として多くのヒューマニティーあふれるドラマを制作していましたが,やっぱり,荒野の用心棒であり,ダーティー・ハリーの魂を秘めた人だったのかなぁ。

プログラム提供元: CComment