イスラム教とキリスト教の衝突?

sputnik burkini回教徒の女性が肌を見せずに水泳できるファッション水着として,イスラム教の親からも受け入れられ,ヨーロッパ諸国で広まり始めていた矢先,南フランスのカンヌがなぜかブルキニ禁止を発令。

理由は,「自分が回教に属していることをはっきりと表示」するブルキニ着用のような行為は,現在テロの脅威にさらされている南仏のリゾート地にはふさわしくないということらしいです。それに続く南仏の町が増えると同時に,賛否両論の活発な議論が交わされていた折,昨日のニースの状況(下の写真)が,4名の警察官が「海岸ではちゃんと脱ぎなさい」といったようなメッセージとしてソーシャルメディアに広がり,大手メディアも大きく報道しました。
写真の出来事は,実は女性が自主的に上着の下に着ているものを見せただけ,ということでしたが,それでも罰金を科された後,女性はこの場を離れています。目撃者によると,「早く国に帰れ!」という声も聞かれたとか。

カンヌから多くのコードダジュール・ビーチに広がったブルキニ禁止

ここ数年テロの標的になっているフランスでは,特に7月14日のフランス革命記念日の夜にニースの海岸通りで堂々と起こったテロを境に,極右イスラムの拡大に神経を尖らせています。
マニュエル・ヴァル首相は,回教徒の一部の女性が着用している全身を覆う水着はフランスの価値基準に相容れず「女性の奴隷化」を示すものだ,と発言。

ドイツで発明(?)された回教ファッション,ブルキニ

burkini nice顔,手,足を除く女性の全身を覆うブルキニは実は10年ほど前にドイツで発祥した妥協策です。
ドイツでは小学校から水泳が義務教科に含まれていますが,トルコをはじめとするイスラム教の保護者は,子どもを水泳の授業に参加させることを拒否していました。
そこで,レバノン生まれのオーストラリア国籍の女性が,肌を見せないファッショナブルな水着をデザイン。ブルカとビキニの合成語として「ブルキニ」と名づけました。
2013年,ドイツのライプツィッヒ連邦行政裁判所は,身体露出を理由とする水泳授業の不参加はブルキニ着用により解決するので,回教徒の女生徒も水泳授業を受けるべし,という判断を下しています。

キリスト教の文化圏とブルカ

一部の回教の女性が着用しているブルカの許可・禁止を巡る議論は新しいことではありません。
ただ,回教国からの難民やテロの増加に伴い,ヨーロッパ諸国は明確な姿勢を示す必要性に迫られながら,いまだに統一された規則が定められず,世論もバラバラです。

議論の対象となっているポイントは・・・

  • スカーフと異なり,宗教とは関係がない
  • 男性に強制された着用習慣は男女平等を価値基準とする欧州文化に相容れない
  • 顔が見えないことが,市民の安全を心理的にも脅かす
  • テロが増えている現在,助長を促す
  • ヨーロッパ社会における回教徒の同化を妨げると共に,ヨーロッパの右翼運動を促進させる

ドイツでは,同時に,ブルカ禁止はドイツ基本法に反するとして着用禁止は強制できないという意見も多くあります。

スイスでは,全国ではありませんが,旅行者であってもブルカは禁止され,ブルカ着用者は多額の罰金を課されます。

プログラム提供元: CComment