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Arbeiten in Deutschland
ドイツで働く

bakeryMeister und Geselle
親方と職人

イタリアで初めて使用されたと云われる「マエストロ」という言葉と地位。しかし,手に職を付けるために丁稚奉公から始め,親方の下で職人の腕を磨き,ひとり前になったら独立する,というのは昔からどこに国でも存在している形だと思います。

形はあっても,遵守すべき制度として定めたドイツは特有かも知れません。国としてのドイツは存在していなかったにしろ,13-14世紀の中世の時代に,職人になる技術を身につける習得期間や場所の規定,独立するための条件などが定められ,19世紀初頭まで厳しく守られていたようです。その後,規定が緩和され,免状なしでも多くの商売ができるようになったり,再び厳しくなったりと,マイスター制度の遵守派と自由市場派との葛藤は今日まで続いています。

最終的にドイツでは,2004年から手工業法の改正により,多くの職業でマイスター免状の保有義務が解消されると共に,2011年からはEU諸国の人たちは誰でもドイツで職業訓練教育を無条件で受けられるようになっています。

現在ドイツでは,認可が必要,つまり手工業で自営するにはマイスター資格を必要とする職が41種,マイスターの資格なしで自立できる職が53種,マイスターの資格なしで起業できる手工業に類似した職が57種あります。日本人に関係あると思われる,家具職人,美容師,パン職人,ケーキ職人,精肉職人,眼鏡士,整形技術士,整形靴職人,歯科技工士などではマイスター資格を必要とします。
>>> 認可が必須および不要な手工業の職種(ドイツ連邦経済エネルギー省)

マイスター資格が必須の手工業における基本的な共通点は,習得に一定期間を要し,基礎知識や技術が不足した人が携わると,顧客(一般人)に健康上または身体上の危険を及ぼす恐れがある職です。
また,必ずしも経営者がマイスターの資格を持っている必要はありませんが,資格を保有したマイスターが必ず正社員として雇用されている必要があります。

しかし,これらのマイスター必須の職業でも,職人証書を持った "Geselle" には独立できる道が開かれています。6年以上の経験,内最低4年は指導的な地位で働いてることが条件となります。マイスターの免状試験では,商業・法律・会計なども試験科目に含まれていますが,基本的な条件を満たしたゲゼレが独立を希望する場合は,長年の経験でこれらは学んでいるものとみなされます。

手工業で独立した人は,組織の形態を問わず,ドイツ手工業組合に入会しなければなりません。初年は無料,2年目3年目も半額とはいえ,会費の支払い義務が生じるため論議を醸していましたが,とりあえずEUの法規には抵触しない判決が出ています。
>>> ZDH - Zentralverband des Deutschen Handwerks(ドイツ手工業組合)

Meisterbrief & Meisterpflicht
マイスター証書とマイスター義務

EU委員会はドイツのマイスター制度の全廃を望まないまでも,競争を阻む結果になっていないか,各手工業においてマイスター証書の必要性をチェックするようドイツに求めています。マイスター証書は,技術の能力を証明する証書として残すことはいいけれども,独立するための条件となると話は別,ということのようです。
ドイツ手工業組合は,証書を持たない起業家が出てくると,職人の能力が低下する,そして約7万の職業訓練の場が失われることを主張しています。例えば,2004年から解禁になったタイル張りのサービス事業では,それまでの事業者の数倍に相当する人たちが独立しましたが,新規設立者の数パーセントしかマイスター証書を保有していません。職業訓練を行うことができるのはマイスターだけですから,後継者が育たない問題も出てきています。同時に,理解できない状況があることも事実です。レストランを開業するのに免状は必須ではありませんが,パン屋はマイスター証書なしでは起業できないのです。

 

プログラム提供元: CComment