Arbeiten in Deutschland
ドイツで働く

arbeit 3Arbeitserlaubnis in Deutschland
ドイツの労働許可

EU諸国(EEA欧州経済領域のアイスランド,リヒテンシュタイン,ノルウェー,およびスイスを含む)の国籍を持った人および家族には,EU内の移住権法が適用されますので,労働許可がなくてもドイツで就労できますが,日本人は労働許可が必要です。

以前のように,パスポートに滞在・労働の許可を記したスタンプが押され,別に労働許可の内容が記された労働許可証は2005年から廃止になりましたが,許可の発行における基本的な条件は変わっていません。

ただ,日本人は観光滞在だけではなく長期滞在においても,渡独前の滞在ビザ申請・取得は不要になっていますので,労働許可もドイツに来てから滞在許可の申請と同時に行うことになります。

ドイツで働くために必須となっている滞在許可(電子滞在許可証)に労働許可の種別も記されることになりますので,労働許可の取得後に就労条件が変わった際は,新たに申請して許可を取得した後,新たな就労条件で働くことができます。

滞在許可は大きく分けて,期限付き滞在許可 "befristete Arbeitserlaubnis" と無期限滞在許可 "unbefristete Niederlassungserlaubnis" があります。
無期限滞在許可を取得している人は,期間も職種も制限なく自由に働くことができますから,労働許可不要になったも同然です。
通常は,まず期限付き滞在許可が発行され,1年,3年,5年など延長を行った後,5年以上の正規滞在を経てから無期限滞在許可の申請を行うことができます。
最初から無期限滞在許可が発行される可能性が高いのは,高度人材 "Hochqualifizierte" と呼ばれる,専門分野における高等教育を修了し実務経験も豊富な科学者や専門技能者などですが,高年収の少数の人たちに限られています。
また,ブルーカード(EU Blue Card | Blauekarte)と呼ばれる,EU諸国内で有効なヨーロッパ共通の滞在・労働許可証もあります。
このブルーカードも,高度人材なら最初から発行されることも多いですが,EU諸国で正式に滞在・労働している他の人たちも数年後に一定の条件を満たすと申請することができます。

 ドイツ居住と滞在許可
 ドイツの電子滞在許可証

ドイツの労働許可の申請と発行

労働許可の初めての申請

申請された労働許可の審査における連邦労働局のチェック項目は多様ですが,最も基本的なことは「申請された就労によって申請者が生活できる」ことです。
判断基準となるのは,ドイツの最低生活費(Existenzminimum)ですので,申請する就労による収入がこの最低水準に満たない場合,生活を補う給付・援助についての,納得できる説明がないとまず発行されません。
また,最初(初回の滞在申請時)から住居手当,生活補助,基礎保障などは支給されませんが,もし申請していることが分かっただけでも,滞在労働許可が却下される恐れはとても高くなります。

職業研修や見習いなどは学生としてみなされるので,年間120日就労の規則内である限り,労働許可は必要ありません。

ドイツにすでに正式に滞在している人

すでに正式な滞在許可を取得してドイツに住んでいる人(観光ビザ,語学学校の学生,専門学校の学生,大学生,ワーキングホリデイ,職業訓練など)が労働許可の発行を希望する際は,ビザの変更になりますので,ビザが切れないうちに職を探すことが必要です。
ビザが切れてしまうと,観光ビザまたは延長許可などで滞在はできても労働許可の取得は難しくなります。

日本からドイツに来てすぐ働きたい人の選択肢

来独前にすでに就職先を見つけている人,職業訓練先などを見つけている人,ドイツに来てから探そうと考えている人など,さまざまなケースがあると思います。
基本的には,来独前に労働契約を交わしているか,働き先がほぼ決まっている状態でないと,滞在・労働許可の取得はむずかしいと考えたほうがいいでしょう。

ドイツにまず観光ビザで入国してから仕事を探すという選択肢もあります。
その際,高等教育を修了して数年以上の実務経験がある人が同分野の職種を探している場合は,職探し期間として数ヶ月以上の滞在は容認されるようです。その場合でも,観光ビザで滞在できる90日が切れるのを待つことなく,早い時期に外国人局に赴き,滞在目的に沿った滞在許可を申請したほうが後々のためにいいと思います。

また,日本食レストランなどの飲食業を除くと,日本人または日本語を条件とした求人自体が少ないのでドイツ全土を対象として職を探さざるを得ません。したがって,事前情報を持たないままドイツの一都市に住み始めてから求職活動を始めるのは非効率的で無駄な時間を過ごすことにもなりかねません。
さらに,以前と比較すると英語のみで働ける職場が増えつつあるにもかかわらず,特権を与えられた "Hochqualifizierte" を除くとドイツ語能力をテストされると思ったほうがいいでしょう。

雇用許可・就労許可の申請

就職先が決まり,労働契約を交わしても,滞在労働許可が発行されるまで働くことはできないので,まず滞在労働許可の申請を居住している自治体の外国人局で行うことになります。その際,労働契約書は条件ではなく,使用者からの口頭または書面による承諾でも構いません。

第三国(日本など)の人への労働許可の発行のためには,使用者と本人の両者が外国人局に申請します。

なかでも,使用者が労働契約書または雇用承諾書と共に外国人局に提出する「なぜこの人を必要とするか」という書簡は大切ですので,結構重要な役割を果たします。

労働許可発行までの流れ

労働許可の発行条件としての基準を全ドイツで統一するために,第三国の人たちに対する許可発行の決定を行うのは,自治体の労働局ではなく連邦労働局になりました。
実際には,一般的な職種においては,エッセン,ケルン,フランクフルト,ミュンヘン,シュトゥットガルトの職業安定所が全ドイツ地域からの申請を審査しています。
芸術家,専門料理の調理師,介護ヘルパー,季節労働者,語学教師,インターン・実習・職業訓練生,交換留学生,企業派遣社員などは,ボン職業安定所が一括して請け負っています。
つまり,各自治体の外国人局に提出された「申請者の情報・書類」は上記の都市の,連邦労働局管轄の職業安定所に転送され,発行・却下が決められることになるわけです。

そしてドイツ滞在法に基づいて判定されるわけですが,その基準はドイツ国内の経済・雇用状況に応じて変化しますので,同じ職種・職場でも以前は発行されていたのに,今年からダメになった,ということも(逆も)起こりうるわけです。一般的には,失業率が低い場合は取得しやすいけれども,不況になると,高度な専門職を除くと,どうしても日本人でなければできない職種の条件が厳しくなると考えていいと思います。

はっきりしていることは,申請された職種を探しているドイツ人およびEU諸国人が優先されるので,ヨーロッパ人の従業員を見つけることが使用者にとって困難であると判断され,且つ第三国人の雇用によってドイツ経済が不利な状況に陥る恐れがない場合に,労働が許可されます。
ただ,第三国人のなかでも,渡独後にビザの申請を行うことができる,オーストラリア,イスラエル,日本,カナダ,韓国,ニュージーランド,米国などの国籍の人は若干ながらチャンスはあがるようです。
いずれの場合でも,使用者は給与など,異なった雇用条件を求職者に提示することは禁じられています。

大学生・専門学校生

大学生の滞在許可証には労働不可と記されていると思いますが,学生アルバイトの範囲内で働くことはできます。
労働できる最大日数は,全日(1日4時間以上)で年間120日,パートタイム(1日4時間以下)で年間240日です。
また,第三国の学生が労働許可なしで働けるのは,使用者と雇用契約を交わした定額報酬に限られ,フリーランス業務や時間・日給のギャランティー制報酬の仕事は基本的には許可されていません。
さらに,学生は無届で働けるため,これまでは学生が実際に働いたアルバイトの総時間を労働局が把握することは困難でしたが,データ収集・管理の改善により変わりつつあるので,将来的にはチェックが厳しくなることも考えられます。

ドイツの大学を無事に卒業すると,卒業後18ヶ月間は人生の方針を決める「職探しのための」余裕期間として滞在の延長が認められ,その間は基本的には何をしても(就労,アルバイト,旅行,研修,職業訓練など)自由です。そして,その18ヶ月以内に職を見つけると,ほぼ自動的に滞在・労働許可は発行されます。
また,ドイツ政府が高度な専門教育修了者として指定する,数学者やエンジニアなど高度な理科系の卒業者には,最初からEUブルーカードが発行されます(税込み年収,46000ユーロ以上)。

フルタイム社員・パートタイム従業員・職業訓練生

最初の労働許可では,フルタイム(週35時間)がほぼ絶対条件です。パートタイムはほぼ無理,職業訓練生(Azubi, Praktikant)は条件付きで認められる可能性有り。
滞在の延長時におけるパートタイム,職業訓練は,生活費・健康保険費用に問題がなければ1回目よりもチャンスはありますが,困難さは残ります。

駐在員・派遣社員

駐在員は,滞在中の会社・職務が変わらない条件付で問題なく取得できますが,通常のプロセス(使用者と本人の申請)は必要です。
しかし,発行されるまでは働くことはできませんので,渡独前に代理人などを介して前もって申請し,渡独後に本人がすぐに外国人局との面接を行うように準備しておくと滞りなく進みます。
派遣社員は年間90日の範囲内で働くことができます。

自営業・独立・フリーランサー・芸術家

自営業 "Selbständiger" の定義ははっきりしていませんが,法的に設立された会社に属していない人を指す意味で使われていると思っていいでしょう。
日本またはドイツ国外で行ってきた事業の継続ならば(許可が得られる)可能性は高いですが,ドイツで商売を始めたい場合は厳しく,資本とビジネスプランが最も重要なので十分な準備と注意を払った書類作りが欠かせません。

その際でも,たとえばドイツにおける事業の許可(すなわち事業者の滞在労働許可)の条件にある「ドイツ経済への貢献または地域の要望に応える事業」も都市によってやや異なる場合があります。デュッセルドルフなどでは自営業者の許可が若干取りやすいのに比較して,芸術家が多く受け入れられているのはベルリンという違いなどです。
つまり,主にデュッセルドルフに住んでいる日本人を対象とした商売でも,それによって日本人社会が活性化されると,最終的にデュッセルドルフの経済にも寄与するという考え方です。文化都市としても特徴を前面に押し出したいベルリンなどは,世界の多様で質の高いアートを必要としているわけです。

にもかかわらず,詳細な事業計画書(ビジネスプラン)は欠かせず,外国人局に提出されたビジネスプランは商工会議所が審議し,その可否の報告を外国人局に送り返します。外国人局に提出する前に商工会議所でチェックしてもらうことはできません。
アーティストのビザ申請でも,学歴および芸術歴だけではなく,芸術家として生活できるだけの収入が得られる「説得力」を持った申請書類を用意する必要があります。

会社の設立 - 設立者・会社代表・会社役員・出資者

ドイツで商売をしている人で最も多いのは個人経営の自営業者ですが,会社形態でも株式会社は少数の超大企業のみで,その他は合名会社(OHG),合資会社(KG),有限会社(GmbH)などです。なかでも,家族や仲間による設立ではなく,ひとりまたは数名の出資者による会社形態で最も多いのが有限会社(GmbH)です。日本では,規模が小さい場合や家族経営などが有限会社になっていることが多いですが,ドイツでは従業員が数百人以上,数百万ユーロ単位の売上を上げている有限会社は無数にあります。

外国人がドイツで事業を立ち上げる最もポピュラーな会社形態もGmbHになっています。代表者は労働許可証は不要且つ,ドイツに居住する必要もありません。
会社設立には定款だけではなく,事業計画書も必要ですが,数万ユーロ以上の資金を必要とする商売を始めるのであれば,有限会社を設立するほうが自営業・フリーランサーよりも滞在許可証は取得しやすいようです。因みに,会社代表者は労働許可証無く働くことができます。

基本的な条件は,事業内容が上述した「ドイツ経済への貢献または地域の要望に応える事業」であること,且つ,事業を行うための全資金を設立者(会社代表)が用意すること,です。事業または出資に対して一部のみ携わっている社員・出資者は,ドイツ国内で本事業のために労働したり,長期滞在する許可を得られない可能性が高いです。 

労働許可なしでドイツ国内で働ける人たち

下記の人たちは労働許可なしでドイツ国内で働くことはできますが,最大で年間3ヶ月間となっています。
その他の職種でも1年間に15日間ならば働けます。

  • 職業研修生(Praktikum)
    大学・専門学校などの必修または資格習得のために必須となっている職業訓練の場合(Vorgeschriebenes Praktikum / Pflicht Praktikum)
    任意の職業訓練(Freiwilliges Praktikum)は労働許可要
  • 企業の専門技術者・管理職・役員
    取引・契約・会議などが目的の社員を含む
  • ジャーナリスト
  • 学術研究者・科学者
  • スポーツ選手/モデル
  • 学生の休暇中のアルバイト(ドイツの職業安定所提供の職に限定)
  • 国際企業や提携会社の派遣社員
  • ボランティア活動者
注)以上の情報は,経験,書籍,WEBサイトなどから随時集めていることをまとめているだけですので,詳細部分の誤りや古くなっていることも考えられます。
実際に行動される際は,必ず役所や担当者などでご確認ください。

参考サイト

ドイツ連邦経済エネルギー省
連邦雇用庁(職業安定所)

プログラム提供元: CComment