じゃがいも

じゃがいも

KARTOFFEL

イツ人自ら,じゃがいも好きであることを憚らないせいか,実消費量はヨーロッパの平均レベルなのにもかかわらず,ドイツは別名カトーフェルランドとも呼ばれ,あたかもドイツ人が最もじゃがいもを食する人種のように思われています。

ご存知のようにじゃがいもの元々の原産地は南米。
1536年,スペイン人がコロンビアの海岸に着いてから征服と破壊活動を続けていた時代,アンデス高原でインカ帝国の人民が食していた「淡い紫の花を咲かせ,根は柔らかく,心地良い味」を持つ植物が,舌に超えたスペイン人たちを唸らせたのです。

まさに,エル・ドラード(El Dorado: 黄金郷)ですが,じゃがいもがドイツに入って来たのは16世紀末。それも食物としてではなく,きれいで珍しい植物としてでした。
ドイツの書物に「じゃがいも: Kartoffel」という用語が記された最も古い年は1742年。イタリアから「土の中のリンゴ」という名称で広まりました。フランスでもじゃがいもは「土の中のリンゴ」なので,同じようにイタリアから持ち込まれたのかもしれません。

kartoffelfeld w640いずれにせよ,天候に左右される穀物を主食にしていた中世時代は,凶作による飢饉が起こっていていましたが,気候に強いじゃがいもを大量に生産できるようになると,食生活が大きく向上するようになります。
特に,7年戦争後,プロイセンのフリートリッヒ大王は全国でじゃがいも畑を奨励し,カトーフェル栽培が定着し始めました。
戦前までは,生き残るために必要な栄養を備えた貴重な食材でしたが,最近ではカロリーが新鮮な果物をわずかに上回るだけ,という健康食になっています。

また,じゃがいも腹,と,ビール腹と同じように太る食と思われがちですが,じゃがいもの食によって太ることがないのは常識になっています。太る原因は,ソース,揚げポテト,マヨネーズなど,脂肪・油を多く含む,じゃがいもの付け合せや調理法にあります。

ドイツのじゃがいも畑の広さは徐々に少なくなりつつあります。自給率からいえば,約100%なのですが,輸出もしているので,フランス,イタリア,エジプトなどから多くのじゃがいも,特に多量の新じゃがを輸入しています。
年間1000万トンのじゃがいもを消費するドイツでは,ひとり平均72kgを毎年食している計算になります。
ドイツで認可されているじゃがいもの種類は約210種ですが,ディスカウント・スーパーなどで販売され,消費量が最も多いじゃがいもは,次のような3種類の簡単な分類分けになっています。

機械化されたとはいえ,ジャガイモ栽培は家族総出で働く重労働です。お米を作った農家の人たちに感謝してごはんを食べるように,ドイツではジャガイモ栽培農家にもいただきますと言いたいものです。
また,日本でも新ジャガが重宝されますが,ドイツでも春先がカトーフェルンの一番美味しい季節です。

Festkochende
密度の濃い食用じゃがいも
性質: 水分が多い
味: マイルド,やや強い
料理: 炒めポテト,塩茹で,揚げポテト,グラタン,ポテトサラダ
Vorwiegend festkochende
混合された食用じゃがいも
性質: やや多い水分
味: マイルド,やや強い
料理: フレンチフライズ,ポテトサラダ
Mehlig kochende
柔らかい食用じゃがいも
性質: 少ない水分
味: 強い
料理: マッシュポテト,スープ,クノゥーデル
フレンチ フライズ

フレンチ フライズ

Pommes frites

ドイツ語読みで「ポメス」と発音されるのには未だに抵抗がありますが,ドイツ国内の外食(?)のベストセラーです。
因みに,本場は,名称のフランスではなく,ベルギーということになっています。

ポテトサラダ

ポテトサラダ

単なる芋サラダではないポテトサラダ
知ってるつもりで,なめてかかると痛い目に合います