abgas w640EUが正式にEU指令として排ガス規制を2007年に発効してから,ドイツでも排気ガス量をクリアーした車種であることを証明する緑のステッカーがないと多くの都市や町の中で走行できないなど,スムースにクリーンカーに移ってゆくように見えていましたが,米国でのVWのディーゼル・スキャンダルを機に,自動車業界,ドイツ政府,EU,一般市民との間において,環境に対する認識の違いが非常に大きいことがはっきりし始めたようです。

ディーゼル車の排ガス測定のソフトウェアを操作していたのはアウディやフォルクスワーゲンだけではなく,ポルシェ,BMW,ダイムラー,そして大パーツ会社のボッシュなど,多くの自動車関連企業の不正も明らかになりました。

その内,排ガスのNOxを規定値以内に抑えられる触媒装置を自動車に取り付けられるにも拘わらず,妨げているのは当の自動車メーカーではなかろうか,ドイツ政府はなぜ自動車メーカーに厳しい態度を取れないのだろうか,などなど多種多様な疑惑も連日ニュースで流れています。

また,日本とは異なり,10万キロや10年走行が当たり前のヨーロッパでは古い車に乗っている人たちが多いので,禁止となると仕事や生活に大きな支障を強いられます。クリーン車や新車に乗り換えるボーナス支給を提供されても,やはり高くつくので購入は無理,という人たちが多いのも現状だと思います。

それではクリーンな新車を購入できる裕福層の環境意識が高いかといえばそうでもないようです。
少なくともドイツでは大型のSUV車の売上が毎年上昇,スポーツタイプの高級車の売上も伸びているので,アウトバーンに制限速度が課された場合,利益幅の大きい高級車の売上が落ちることを心配する自動車メーカーは反対している,というような評論もよく目にします。

排ガス規定値の正当性にしても,大気汚染が環境や健康に及ぼす正しい情報についても混乱しているように見えるのですが,いずれにしても,ドイツには自動車の国として世界に模範を示してもらいたいものです。