VoIP 電話と All IP

無意味になる国際電話という名の遠距離通話   

話も含む通信すべてがインターネットを介して行われるようになる2019年は,いつか「受話器が消えた年」として歴史に刻まれるかもしれません。今年から VoIP 電話が本格的になりますが,一般庶民にとってどんな準備が必要なのでしょうか。

通信プロトコルがすべて All IP に

iphone ipad.w500h300jpg電話やファックスなどもインターネットと同じようにパケット通信(IP: インターネット・プロトコル)で行うために,過去20年利用されてきたISDN回線が廃止されます。

  • 安価
  • 設置および設定が容易
  • 使用する場所も機器も問わない
  • 高効率
  • 機能の複合利用
  • 高品質・高速

以上のような理由で変更されるのですが,最も大きな変化は「電話」でしょう。
離れた人と会話を行うためには「必ず電話機という機器を介して」という概念がまず変わります。
すでに現在,IP電話を利用している人もいるとは思いますが,これからは別に電話機がなくてもインターネットに繋がるデバイス(機器)さえあれば電話通信ができることになるのでいろいろな変化が起こります。

国際電話というような距離に応じた料金は無くなる

自分が何を使っているか分からない?

tae dose20年以上前から引かれている自宅の固定電話の場合,どのような回線なのかが分からない,という方もいるかもしれません。
基本的に,壁に付いている TAE コネクター(左写真)と呼ばれる電話回線のソケットから直接コードを引いている電話機はアナログ電話なので利用不可,TAEからルーターの間にスプリッターと呼ばれるアダプターが付いていると利用不可です。

TAEコネクターからルーターまで直接接続されていたら,最新のDSL回線だと思っていいでしょう。

以下の図はドイツ・テレコムの例ですが,基本的に同じです。
ルーター(Telekom: Speedport Router)との接続はすべてLANケーブルを用います。

Verkabelung Entertain komplett

現在(2019年5月)の状況

ドイツ・テレコムは2019年中旬までに,ヴォーダフォーンは2022年までに完了予定ということでしたが,ヴォーダフォーンはかなり前倒しを発表しています。

All IP (VoIP) の功罪

安価に,場所・機器を問わず利用可能な電話ですが,利用者にとってはメリットばかりではありません。

  • スパムメールならぬスパム電話への対応
  • 生きた「人間」ではなく,機械の「ロボット」からの電話が増える
  • ニュースレターならぬニュース電話の悪用への対応
  • 電話機は勿論,インターネット接続できる機器のすべてにおいて送受信の詳細な設定要
    (設定なしでは勧誘電話なども世界中から送られてくる)
  • ハックされた場合,通話内容が筒抜け
  • 真面目な電話なのか,本当に友人・親類なのかの判断が困難になる
  • 大量送信が可能になるため,「悪用」をたくらむ電話の増加

以上のような恐れがあることを考慮すると,将来的には信頼する電話番号をひとつづつ保存し「他人からの電話は基本的に受けない」状況が一般的な安全策になることも十分考えられる気もします。