ヨーロッパで立ち上げるWEBサイト

世界にひとつしかない自分(自社)のみのドメイン

試し的なホームページや,いつ止めるか分からない,時々書くだけのブログを除き,自分自身のドメインを取得されたほうがいいと思います。
インターネットアドレスであるドメインは,居住国のみで取得できるトップレベルドメイン(de, jp, fr, nl など)を除き,自由な組み合わせが可能ですが,ドイツで一番安く一般的な .com .de が付いたドメイン取得料金は年間10ユーロ前後です。

標準になりつつある SSL サイト

インターネットのアドレスは,ほとんどの場合,http:// または https:// から始まりますが,"s" が付いた https:// が SSL (Secure Sockets Layer) と呼ばれる安全認証のお墨付きサイトです。将来的には,といっても恐らく今年2019年からほぼ標準になり,逆に SSL サイトでないと安全ではないと思われる可能性があります。
ただ,SSL にも安全度やチェッククラスによって段階があり,SSL認証取得料金は年間20ユーロから1000ユーロまで大きな幅があります。
目安としては,個人情報をほとんど取得することがない小規模サイトなら最低料金でもOK,本格的なE-Commerceや,パスワードを利用したとしても極秘情報の交換が多い法人サイトは最高クラスの安全度が必要,といったところでしょうか。

プロバイダー(レンタルサーバー)と契約した有料サイト

まず,巷には多くの無料サイトおよびプロバイダー契約不要の無料サイトがありますが,事業を営んでいる方はもちろん,フリーランサーや仲間・家族のホームページでも,プロバイダー契約で独自のドメイン(独立したURLサイトアドレス)のために月額5-10ユーロを支払うメリットは十分あると思いますので,腰掛けでない限り「無償」の言葉に引っかからないでください。
特に営業用サイトの場合,後々サイトアドレス(URL)が変更されると,培ってきた多くの訪問者を一時失い,またやり直しの作業を強いられることになります。

ほとんどの「無償」サイトは次のような代償付きです。

関係の無い誇大広告
提供元の名称が付いたサイトアドレス - 例: www.sakura-club.telekom (jimdo, wix, strato) .de
メールアカウントが別料金または上記のようなアカウント付き

法人・団体は勿論,一般サイトでも,サイト名は自分の名称のみ(例: www.sakura-club.de),自分のサイトアドレスに付属するメールアドレス(例: join-us @ sakura-club.de)の方がスマート且つ信頼性も上がります。
また,メールアカウントはいくらでもどうぞ,というところがほとんどですので,メンバーやユーザー,担当ごとに異なったメールアドレスを割り当てることができます。

プロバイダー(WEBホスト会社)の選び方

個人用の小さなホームページでも,独自のWEBサイトを所有するためにはプロバイダーといわれるホスト会社のレンタルサーバーを利用するのが一般的です。ドイツ居住の方ならば,ドイツ国内で広く知られ,利用者も多いプロバイダーが安価で安心できると思います。
以下のWEBホスト会社は,料金,容量,管理機能,使い易さなど,あまり大きな差はなく,ベストとして推薦できるプロバイダーも個人的にはありませんので,詳細は各社のWEBサイトをご覧ください。

個人ユーザーを主要ターゲットに置いているか,法人の顧客が多いかの違いはありますが,ほとんどのプロバイダーはあらゆる要望に応えるパッケージ料金体系を設けています。

月額料金は,どのプロバイダーでも個人サイト用は5-10 €程度,しかし十分な容量と機能が揃っています。速度(ダウンロード,アップロード),平均ダウン時間(1ヶ月にアクセス不通になる時間),セキュリティーなどが多少異なるようですが,仕様の違いを見ても(少なくとも筆者には)実際には理解できません。
一旦契約した後は1年ごとの更新が一般的です。

従って,多くの人たちの選択条件は,使い易さや簡易インストールソフトの有無などになると思います。
CMS,ショップ機能,Wiki,訪問者カウンターなどのインストールがクリックひとつで完了しますので,たとえば最初からWordpressを利用しようと決めている人にとっては,Wordpressのワンクリック・インストールまたはWordpress込みのパッケージが選択肢になるかもしれません。
因みに筆者は,最初のドイツテレコムを経て,(吸収合併前のSchulund+Partnerを含めると)DomainFactoryを20年近く利用していますが,ベストというわけではなく,代える理由がないので留まっているだけです。

- Host Europe
- DomainFactory
- webgo
- One.com
- 1&1 Ionos
- STRATO
- ALL-INKL.COM
- checkdomain
- ALLDomains Hosting
- netcup

WEBサイトの「形式」をまず決める

WEBサイトに多少なりとも携わった人ならば,WEBサイトはHTMLという言語が核になっていることはご存知だと思います。
ただ,最近はHTMLのみで作成されたサイトは珍しくなり,CMSという形が主流になっています。
個人サイトや小規模サイトならば,作成後の更新で基本プログラムを変更してもあまり支障はありませんが,中規模以上の企業の場合は,最初に十分考慮することが肝要です。

ドイツの中規模以上の法人が使用しているCMSは,Typo3 と呼ばれるシステムです。オープンソースの無償プログラムですので,個人や小事業の方が使用しても勿論構わないのですが,やはり頻繁に更新される製品群が数千を超えても,各部署の担当者,編集者,翻訳者など,多くの人たちが同時に更新を行えることなどが大きな強みです。
しかし,PCやWEBに詳しい社員でも習得にかなりの時間を要するので,仕事の合間に片手間でできるほど簡単ではありません。
専門に従事する社員またはアウトソーシングが必要になり,必然的に多大なコストがかかります。

ドイツでWEBサイトを制作・運営する際,適していると思われるプログラム

■ CMS

WordPress

現在(2019年4月),世界中のWEBサイトの3割,CMSサイトの約8割が WordPress だそうです。
5,6年前までは「シンプルなレイアウトだからブログなら良いかな」ぐらいに思っていた WordPress ですが,急激に洗練され,初めての人でも馴染みやすく,且つセミプロ・プログラマーにも応える柔軟性が加えられ,世界最大のシェアを獲得するほど有名になりました。
海外のユーザーにも重要な要素である「日本語ドキュメント」も十分あり,困ったときの情報もインターネットに溢れているので助かります。
ただ,多機能になった分,昔のような超シンプルではなくなったので,「誰でも3分でホームページ」というわけにはいきません。
ドイツの多くのプロバイダーは,ワンクリック・インストールを提供しています。

WordPress のサイトは,wordpress.org と wordpress.com の2種類が存在しています。
混乱するやり方ですが,.org は,WordPress を自分でインストールして自由に全機能を利用できますが,com は WordPress のサーバーを利用するのでインストールもプロバイダーも不要でほぼ無償な分,自由さに欠け,機能(プラグイン,テーマ)も限られています。

Typo3

アートに富んだトレンディーなデザインではなく,内容(コンテンツ)重視のシステムです。
管理画面もしっかりした論理的な構成で,とても安定しています。
頻繁に更新される製品の価格や情報を一般ユーザーと取引会社に分け,多言語で提供したい企業の最初の選択肢になると思います。

Drupal

Typo3 ほどの多機能は不要な分,習得に時間をかけず,社内で行いたい場合。
雛形デザインも Drupa によると2772もあるようですが,オーソドックスなので Typo3 同様,芸術性を好む事業者よりも真面目さを前面に出したい企業がほとんどのようです。

Joomla

WordPress に追いつかれただけではなく大きな差を付けられていますが,同じサイト内に複数のレイアウトデザインページを組合わせたり,作成後もいろいろな機能を加えたり変更を行う可能性があるポータルサイトならメリットがあると思います。 

■ Website-Builder

CMSと同じシステムですが,感覚的に操作できる簡易版といえます。
例えば,何かインターネットのサイトを見ていて,「ここの文章を変えたいな,ここの横に画像または動画が小サイズで挿入できたらいいな」と思ったときに,見ているサイト上でそのまま編集できる,そんな感じでしょうか。
ですから,デザインの大きな変更を行うことはないし,複雑なレイアウトは要らない,個人・個人事業者などに向いているといえます。
テンプレート(雛形デザイン)の数は提供会社によって大きな差があり,デザインの雰囲気も各社によって多少異なりますので,ウェブサイト・ビルダーの会社に気に入ったテンプレートがあり,「内容のみを自分のコンテンツと交換すれば出来上がり,後はあまり要らない」という印象を抱いた人の選択肢になるでしょう。
テスト版で自分が馴染める操作かどうかを試すのも一案です。

- Wix
- Weebly
- JIMDO
- 1&1
- Site123
- Sitebuilder
- Squarespace
- Webnode

■ E-Commerce

E-Commerce といっても,大きく分けて,個人・法人のサイト内で販売したいモノがあるからショップ機能がほしい,という場合や,ショップだけのサイトまたは本格的なオンラインショップを始めたいという場合があります。

また,単にショップといっても,店舗をすでに持っていて,店舗販売とオンライン販売を並行して行いたい方,販売専門ではないけれどもいくつか売りたいモノがある方,さらに個人で少し売りたいと考えている方など,いろいろなケースが考えられます。
ドイツ,EU諸国では,たとえば旅行代理店がお土産や観光ガイド書籍,美容院が化粧品など,オンラインで販売するには別途営業登録が必要になります。
数少ない商品のオンライン販売ならば,サイトに電子商取引の簡易機能を組み込むだけでいいと思います。

以下は(規模は問わず)本格的にE-Commerceを始めたい方のシステムです。

- BigCommerce
- Shopify
- 3dcart
- WooCommerce
- Volusion
- Prestashop
- Weebly
- Squarespace
- Magento
- Wix

サイト内ショップ(ショップのみでも可)

WooCommerce (WordPress)

* WooCommerce は現在,WordPress のみ対応なので,ショップ機能を加えたければサイト自体のプログラムは WordPress になります。
逆にいえば,すでにサイトを WordPress 以外で制作している場合は,別の E-Commerce ソフトを探す必要があります。

日本語の説明書,日本語のフォーラムなどによるサポートがあるシステム

海外で広く知られるソフトやシステムは,英語ならば詳細な説明書がありますが,その他の言語,特に日本語情報は少なく,問題は起こらなくても知りたい点を探すのに大変な時間を要することは珍しくないので「日本語」はネックになるかもしれません。

WordPress に決めている人の選択肢

プロバイダー契約を別途に行なうメリットは,サイトやメールなど自由に増やしたり,管理も柔軟に行えることですが,WordPress があまりに有名になったため,作成するホームページは1つだけ,それも WordPress で,決めている人もいると思います。
そういう人にはWordPressに特化したホストのほうが便利で,しっかりしたサポートも期待できます。
ただ,これらのホストでも,「無料」パケットは避けられたほうがいいと思います。

- Bluehost
- HostGator
- SiteGround
- DreamHost
- InMotion Hosting

 

法規に準拠したサイト記載事項

日本発のWEBサイトを見ていると,事業サイトにもかかわらず(ダイレクトメールが送付されるからなどという理由で)住所が明記されていなかったり,発行人が不明なサイトを結構見かけますが,EU諸国では発行人の明示は最も重要ですので,警告だけではなく罰金を課される恐れがあります。
他にもいくつか,サイト所有者が必ず遵守すべき項目があります。
特に2018年からネットにおける個人情報収集と管理に関する規定が厳しくなり,今年(2019年)はすでに施行されているEU一般データ保護規則(GDPR)にさらなる規定が追加される予定です。
以下の項目は全ページに記載するか,ワンクリックで該当ページが表示される明示的なリンクを全ページに付ける義務があります。

● 発行責任者(Impressum)

発行人の名前・住所
代表者名(発行人が法人・団体の場合)
連絡先(住所とは別に,即連絡可能な,電話番号やメールアドレスなど)
登録機関の情報,登記番号など(法人・団体の場合)
売上税納税者番号(個人),事業用納税者番号(法人)

● 個人情報保護(Datenschutz)

紛争が発生した際の裁判処理に関する情報
電子商取引を行っている場合,取引者および取引内容に関する情報
個人情報の取扱いに関する情報(クッキー,プライバシーポリシーを含む)

● 免責事項(Disclaimer)

本来ならば,自分はこの責任は持てませんよ,と自分勝手に表示しても意味がないような気がするのですが,第三者のリンクやコメントなどに関して一般化しています。表示義務ではありません。

● 一般取引条件(BGB)

法人など事業を営んでいる人は表示義務があります。

 

プログラム提供元: CComment