信頼して普段と同じ生活をしたら

3月の中旬頃から,ドイツでも社会生活のいろんな部分に制限がかかるような予兆が現れると,通称ハムスター買いと呼ばれる「買い占め・買い置き」が始まった。と同時に,メディアでも「ドイツは日常生活の用品や食料品は常に十分に提供できる体制が整っているので品薄になることはありません。買い占めは不要です。万が一,スーパーに特定の商品が無くても数日以内に供給されます」というアピールを政治家は言い続けていた。

 

それを信じて,また,買い占めははしたないし,短期間にしろ他の人に行き渡らなくなるかもという後ろめたさもあり,普段と同じ買い物サイクルを保った。それで結局ピンチに陥った。
いつも買う割安のパスタ類が棚から消えた。ならば自分で作ろうと小麦粉があるコーナーに向かうとそこも空っぽ。じゃぁ手持ちの小麦粉でピツァを作ろうとイースト菌の場所を店員に尋ねると「もうありませんよ」とのこと。

よう〜し,「歯には歯を,だ」と,まだ我が家にあったトイレットペーパーの「買い占め」に向かうと,ときすでに遅し。
別のドラッグストアーにもなかった。
「いつ納入しますか」と聞くと,明日とのことだったので,翌日手に入れた。
その夜のテレビでは,トイレットペーパーが高く積まれた倉庫の中央で,大臣が「トイレットペーパーの買い占めはしないでください。こんなに十分あるのですから・・・」と訴えていた。
それを信じて1週間後に探すとまた無い。別の店で,小さく,少なく,低質の,しかし価格だけは普段の倍以上のトイレットペーパーを買うしか選択肢はなかった。
また夜のテレビでは政治家やアナウンサーが買い占めを諌める発言をしている。
トークショーでは「フランスでは買い占めされるのはコンドームなのに,ドイツはトイレットペーパー」と笑うに笑えない自虐的な意見も。
もう聞かないことにした。そして翌日,運良くドラッグストアーに積まれていたトイレットペーパーを買い占めた。
カミさんは「私は携帯ウォッシュレットを買ったから」と全然不安はない様子だった。

プログラム提供元: CComment