ドイツのシュピーゲル・オンラインで次のような記事を偶然目にしました。クリックすると全面ページの記事が表示されたのですが,登録者のみ閲覧可だったので,見出しと読める部分のみ和訳してみました。

spiegel ito 1

日本を目覚めさせる1人の女性

「レイプは一度だけ助かるのではなく,
生き延びることが毎日続く」

伊藤詩織さんががホテルで目が覚めたときは裸,何も覚えていない。
彼女は,多くの日本人女性のように引き下がることなく,
そこに連れて来た男性を告訴した。

伊藤詩織さんの人生をずっと変えることになる夜は,めまいから始まった。自分の周囲が急にぐるぐる回り始め,まぶたが重くなった。

当時25才だった彼女は,その夜,同僚と一緒に東京のすし屋にいた。伊藤さんと同じジャーナリストの山口敬之氏は日本では有名なレポーター。多くの幹部クラスの政治家のインタビューなどを行い,安倍総理大臣の伝記の著書もある人。伊藤さんと山口氏とはちょっと知り合いであるという程度の仲。伊藤さんが仕事を探しているということで,食事をしながらの話として山口氏に招待された。そして,伊藤さんは急に立ちくらんだ。

彼女は席を立って洗面所へ行ったが,力が抜けてしまった。立ち続ける力もなく,トイレにこしかけ,座り込んでしまう。

「私は洗面台に顔をかがめました。そこで記憶が途絶えています。」
2015年4月3日のことです,と記憶について語る伊藤さん。

Alexandra Rojkov
2019年11月1日


 

ンターネットをみると,日本ではすでに数年前の訴訟当時から大きな話題になっていたことが分かりました。
ところで,世界共通の傾向だとは思いますが,話題を呼ぶ出来事には,両側の見解から怒涛のごとく「リスペクト・ネチケット・ゼロ」の下品な言葉がインターネットで投げ捨てられるのには,ほとほと嫌になります。

とはいえ,本件は,両者の言い分が異なっているようですし,私は何もしらないので詳細は不明です。
にもかかわらず,「記憶がなく,気が付いたら裸にされ,セックスも行われた自分がいた」というのが事実ならば,そのときの状況やそれまでの過程はどうであろうとも全く関係なく,西ヨーロッパ諸国では(ひょっとすると日本でも),21世紀の今日,法的な罰を免れることはできません。
欧州に居住しているイスラム教の多くの家庭で妻が夫の所有物のごとく扱われたり,娘の結婚相手を親が決めることが当然のように行われている話題は,人権問題として毎日のようにニュースになっています。

欧州の8ヶ国では,女性に暴力を加えたり,抵抗を押さえた状態でセックスを行うことだけが強姦ではなく,「やりたくない」という意思を示した女性と行為することも同様にレイプとみなされます。なかでもスウェーデンは,相手から明示的な合意を得ていないセックスは違法として定められている唯一の国です。
北欧はフリーセックスの国々だ,と喜んで北上する人たちは十分気をつけてください。
女性保護団体や "Amnesty International" は全EU諸国がスウェーデンと同じような法律を定めるように運動していることもあり,イエスのみがイエス,になるのは時間の問題でしょう。
法を逆に悪用されたり,女性に脅されたりする可能性もあるため,議論は続いているのですが,私の本題はそこではありません。

それよりも,ドイツ人女性記者が記した「日本を目覚めさせる女性」という見出しは,日本を知る人が何か思うことあって付けたような気がしたのです。

男社会の日本

日本を少しでも知っているひとは,日本はなかなか変わらない男社会だという印象を抱いているので,本音は「日本人男性を目覚めさせる」と書きたかったのかもしれません。

いわゆる親日家というか,日本の多くの面を気に入っている欧州人の間や,私がこれまで会った人たちや日本に関する記事において,日本の変わらぬ男社会はたびたびテーマになります。

- テレビのニュースや司会を伴う番組では,なぜいつも男性が主で,横にいる副の女性は頷いたり,サポート役のみを果たしているのか?
- ティーンエイジャーや若い女性は,あまりにも「かわいい,かわいい」を意識しすぎていないか?
- 幼稚園にこどもを送り届けてから出社する男性,こどもの病気が理由で早引きする男性,スーパーで食材を買う男性などを,なぜあまり見ない?
- 大卒の女性はとても多いのに,一生主婦だったり,能力が生かさせることがないパートの単純労働などに甘んじている人が,なぜ多い?

ドイツを訪れた日本女性が言っていました。
「子育ても終わったから,自分の店を開こうと思って主人に相談したとき,了解してくれる代わりに,ひとつだけ条件を出されたの。家事に影響を与えないことという。」

それを聞いていたドイツ人女性はびっくり。
夫からの許しが必要とか,子供の教育や家事は女性の仕事だという印象を抱いただけではない。少しぐらい家事に影響が出るのは当然じゃないか。仕事と両立させるために,生活のサイクルが変わるのだから,家事でも何でも仕事が増えたら夫も率先して助けるべき,という意見なのです。

いちど,日本人夫婦のご自宅で夕食に招待されたことがありました。
居間で我々と一緒に食前酒を楽しんでいるご主人が台所で働いている奥さんに「お~い,XX 持ってきてぇ」と叫ぶのです。
奥さんは「は~い」と快く返事された普通の光景だったので,私を含む日本人は仲むつまじい夫婦だなぁぐらいにしか思わなかったのではないでしょうか。
でも,居合わせたドイツ人は一瞬顔を見合わせたのです。
忙しい奥さんに頼むのではなく,手の空いている主人自身が立ち上がって台所に行くのが当然だろう,という表情で。

また,ドイツ旅行にやって来た大卒の若者の言葉にも驚いたようです。
「ぼく結婚できるかなぁ。収入が少ないから。」

調べてみると,多くの日本女性は結婚相手に一定の(かなりの高額)額の収入を結婚条件のごとく望み,夫が失業しても妻がパートなどに出て家計を助けようとする女性が少なく,これまでと同じ生活を続けたい「金の切れ目は縁の切れ目」になる例が多いそうです。
これらをみると,家事・育児はなぜ女性に押し付けるのかと異議を申し立てる女性が多い反面,生活を経済面で支えるのは男性の責任として,自立心がやや少なく,自立経済への甘えがあるのも女性側に多いのかもしれません。

コメントを書く (0 コメント)