「イノベーション」という言葉がさかんに叫ばれるようになったのはいつごろでしょうか。
いずれにしても,もはやあまり意味をなさないような「革新的な新モデル」が毎月のように市場に出てきます。多くの消費者は,自分は厳しい目を備えたユーザーであると思っているかもしれませんが,結局,製造者や広告会社,それに経済省・経済団体の「仕掛け」にまんまと乗っているような気がします。
日本人は新しいモノが好き,それが経済の活動力となって発展してきた,とよく言われます。事実かもしれません。

 

leica w600h350「使い捨てカメラ」というのが大真面目な画期的な新製品として受けていた時代はつい昨日のこと。製品の修理を頼んでも「新しいのを買った方が安いですよ」といわれるのが当たり前のようになり,古い製品を長年使っていると「良きモノへの感覚を持たない時代遅れ」として笑われることもしばしばありました。

ヨーロッパに移って,やっと日本での「遅れてる~!」の見下したような視線から解放されたと安堵していたのですが,近年は世界中の消費は似たような傾向のようです。
カメラ,電化製品,産業機械,木製家具,システムキッチン,自動車,電車・バスなど,丈夫で長持ちするドイツ製品の多くが,安価で寿命が短いモデルに変わり始め,そのサイクルも目まぐるしいテンポになってきました。

僕は40年以上も前にアメリカの古着屋さんで買ったジーンズをまだときどき着ています。
その後に購入した数多くのジーンズは擦り切れて処分してしまいましたが・・・
今の世界,本当は必要ではない多くのモノが店に並び,衝動買いする顧客が経済を支える中で,短命を終えた製品群が土に戻ることなく,地球の皮膚を覆い始めています。


 

steve cutts 168Steve Cutts

イラスト・動画製作者としてロンドンを拠点に活動している英国人の風刺作家(24歳)
ユネスコをはじめ,多くの著名な機関のプロジェクトにも参画
特に現代社会の行き過ぎた現象をテーマに置いた数々のイラスト・動画は的確に的を得ている
http://www.stevecutts.com/

プログラム提供元: CComment