徹底されない「水の無料サービス」

water 1 w640年前から,飲食業の顧客に提供する水道水の無料化が法定化されていますが,(特にドイツの)多くのレストランでは,客がはっきりと水道水を望むまで「知らん顔」をしているようです。水を求められると,「ガス入りの水ですか,天然のガス無しですか?」と云う従来の質問が続けられているのです。
このような有名無実化した水の無料サービスの実践を進めるために,水道水は無料であることを客にはっきりと示すことをEU委員会は新たに飲食業者に対して求めています。

フランスでは義務化,オーストリアでは強く推奨,されていますが,ドイツではミネラルウォーターの売上はバカにならないとの理由から,飲食業組合自身が反対しているのが実情です。
俳優のティル・シュヴァイガーが経営しているレストラン "Barefood Deli" では水道水でも 4.20 ユーロ。ネット上で暴利だと叩かれていたこともあります。

ご存知のように,初めてヨーロッパを訪れる日本の人たちが驚くことのひとつに「食事の水やお茶は無料サービスで出てこない」があります。
そして,現地に住む日本人に「ドイツの水は硬水ですからミネラルウォーターの方が・・・」とか「ヨーロッパでは食事には何か飲み物,水でも別に注文するのが普通です・・・」とかいわれて,いつの間にか昼の定食でも飲み物代を含んだ額が予算になるようです。

水を無料で出すと売上は落ちるのか?

ドイツの飲食業界や組合が無料水に反対している理由はもちろん売上の減少にあります。
しかし,多くのレストラン・オーナーが売上減少を認めるなかで,減少どころか売上は上がっていると言うミシュランの星付きレストランを含む大小の飲食業者があることも事実です。

売上に響かないどころか売上上昇につながることを強調するレストラン・オーナーの弁:

● 無料で水を出すと,他に飲み物を頼まない客もいるけれども多くは別の飲み物を注文する
● 無料の水でも,出し方によって客に高く評価され,それが最終的に売上高につながる
● 水ひとつのサービスで客は寛ぎ,自然と長居し,寛いで長く居ると客は追加注文をする
● 水は,ワインなどのアルコールを飲む人にとって,味と(もっと飲みたい)欲求を推進させる

水の出し方を工夫したいレストラン経営者

water 5 w640水道水は無料で提供しつつ,フィルターを通したり,独自の味を加えたりした自家製の特別ミネラルウォーターを低料金で提供する,水の大切さを知る高級レストランも結構あると聞きます。
日本のように,テーブルに座るとメニューと水のコップが一緒に置かれる日も近いかもしれません。