Wohnen in Deutschland
ドイツに滞在する
ドイツの生活費
ドイツで生活するための毎月の生活費は一概には云えません,と言ってしまえば見も蓋もないのでまず連邦統計局のデータを見てみます。
平均・平均のデータなので,ドイツの一般生活に応用するにはやや現実性に欠けますが,これらが基になって最低限の生活費用である "Existenzminimum"(生活最低水準)が決められるわけですから参考にはなります。
ドイツ国内の食料品の価格は賃金比較ではヨーロッパで最も安い国に属しているのですが,近年都会では家賃がとても上昇して,30年前には収入の4分の1が家賃だったのに対し,現在では3分の1から半分近くが家賃が占めるようになっているため,必然的に都市生活者は厳しい生活を強いられています。
ドイツ連邦統計局
しかし,学生をはじめとする独身男女の生活では,当然といえば当然ながら出費の割合がかなり異なります。
学生の場合の全生活費は812ユーロ(約10万円),内,平均の住居費が281ユーロですが,都市によって大きく異なり,ケルンでは340ユーロ,ケムニッツでは220ユーロとなっています。
また,シングルの場合は,買い物や旅行にあてる比率が高いのは想像できますが,電気代への支出も多いようです。
ドイツで毎年定められている1年間の生活最低水準費(Existenzminimum)は,所得税がかからない非課税額とほぼ同じですが,2018年度は,独身で9000ユーロ(約110万円),同居の配偶者がいる場合は1万8000ユーロ(約200万円)となっています。
ドイツ人の平均月収は1890ユーロ(税込み: 2860ユーロ)
ドイツにおける2017年度の就労者の平均月収は1890ユーロです。
ドイツ全就労者の47.8%が約1890ユーロ,同額よりもわずかに低い額が15.8%ですので,約63%の世帯が上下10%の枠に入っていることを考慮すると,まずは一般市民はこの程度の額で生活していると考えていいと思います。
ただ,週35-40時間以上就労しているフルタイム従業員の平均月収は税込み3770 ユーロですが,男性(3960 ユーロ)と女性(3330 ユーロ)の平均収入額には結構開きがあります。
因みにこの全体の平均額(1890ユーロ)の250%以上の収入を得ている層は3.4%。ことあるごとに貧富の差が問題視され,高所得者が叩かれている感が印象がありますが,他の欧州諸国と比較するとドイツの高所得者の割合は意外と少ないことが分かります。
社会保障(Harz IV)受給者の必要生活費の基準(2018年度)
416 Euro: 基本生活費(1人)
374 Euro: 配偶者
240 Euro: 子ども(5才以下)
296 Euro: 子ども(5才-13才)
316 Euro: 子ども(13才-17才)
4人家族(子供2人)の場合,1928ユーロ(1284ユーロ/生活費,644ユーロ/家賃・光熱費)が毎月支給されます。
このような額を見ると「多いなぁ」と思われる人がいると思いますが,確かにその通りで,フルタイムで働いても,就労者が1人(夫または妻)で最低賃金(8.84 ユーロ/時)ならば,社会保障支給額よりもかなり低くなるという不公平が生じています。
4人家族(子供2人)が,社会保障を受けている同じ環境の家族と同じ生活費を得るためには2540ユーロ(税込み)の収入が必要になります。つまり,フルタイムの仕事がありながら,社会保障受給者よりも低い収入で生活している就労者も多い,という現実問題もあるわけです。
因みに,社会保障の受給者は10数年前と比較すると700万人から600万人に減少していましたが,2015年からの難民流入により新たに100万人増えています。
低所得者の家族は都市では生活できない
連邦統計局によると4人家族の平均年収は4万ユーロ(税込み: 62500ユーロ)となっていますが,ミュンヘン,フランクフルト,ハンブルク,ベルリン,シュトゥットガルトなどを筆頭とする大都市の家賃の高騰は激しく,平均的な収入ではミュンヘンやフランクフルトはほぼ無理,他都市でもかなり厳しい生活を強いられる状況です。
ただ1人住まいの狭いアパートの場合は,ベルリンとゲルゼンキルヘンは低家賃の物件がまだ多いようです。
しかし家族の場合,人口20万人以上の都市で,月2000ユーロの収入で普通の生活ができるのは家賃が安い5都市,内4都市がノルトライン・ヴェストファーレン州の,ドルトムンド(Dortmund),ボーフム(Bochum),デュイスブルク(Duisburg),ヴッパータール(Wuppertal),そしてザクセン州のライプツィッヒ(Leipzig)となっています。
(注: 「普通の生活」と云う一般生活水準も,4人家族で100平米のアパート,車所有,年に1回の合計4週間程度の休暇などを標準とした場合です)
各都市のアパートの平均家賃(100 m2)* 光熱費は別途,一律 270 €
ミュンヘン(2292 €)
- フランクフルト(1404 €)
- ヴィースバーデン(1242 €)
- シュトゥットガルト(1204 €)
- ハンブルク(1185 €)
- ベルリン(1160 €)
- ニュールンベルク(1079 €)
- ケルン(1075 €)
- デュッセルドルフ(1043 €)
- ミュンスター(1037 €)
- カールスルーエ(989 €)
- ボン(973 €)
- アウクスブルク(968 €)
- マンハイム(959 €)
- ブレーメン(818 €)
- ハノーファー(802 €)
- ビーレフェルト(754 €)
- ドレースデン(742 €)
- ドルトムンド(670 €)
- エッセン(668 €)
- ライプツィッヒ(619 €)
- ヴッパータール(611 €)
- デュイスブルク(558 €)
4人家族の月々の平均家計(2016年度)
- 支出総額
- 2480 ユーロ(約33万円)
- 住居費(光熱費込み)
- 877 ユーロ(35.3 %)
- 食費
- 342 ユーロ(13.8 %)
- 家電・内装修理・家具
- 150 ユーロ(6.1 %)
- 保健
- 99 ユーロ(4 %)
- 交通費
- 335 ユーロ(13.5 %)
- レジャー
- 258 ユーロ(10.4 %)
- 衣類
- 108 ユーロ(4.4 %)
- 教育
- 18 ユーロ(0.7 %)
- 宿泊・外食
- 142 ユーロ(5.7 %)
- その他
- 90 ユーロ(3.6 %)
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