地球は人類の望むままに?

地球の温暖化が気候変動を引き起こし,それらが原因で大きな自然災害がたびたび起こっている,という主張を認めない人たちが,知識陣を含め多少はいても,世界中の大気・土壌・河川・海洋の汚染度の悪化にはほとんどの人が気づいています。

ヨーロッパでは環境をなおざりにしてはならないという認識を多くの人たちが共有するようになったにもかかわらず,個人個人の意識や行動,国の環境政策,そして世界での足並みが揃っていないのが現状。
果たして,地球は危機状態に突進しているのか,確信を得ることはできませんが,「環境の質」が悪くなり続けていることは多くの人たちが肌で感じ,その原因がすべて人類にあることは間違いありません。
1990年代は環境先進国として崇められ,リサイクリング,再生可能エネルギー,更新資源,そして核エネルギー施設も破棄して自然エネルギーなどを積極的に進めるはずだったドイツもいつのまにか多くの国々に追い越されているような記事を度々目にするようになりました。


 

地球の環境を脅かす25の要因

1. 大気汚染

airpollution 1 wh500世界保健機関(WHO)によると,世界の90パーセントの子供たちが有毒性を含む大気の中で毎日生きているそうです。
大気は,約78%の窒素,21%の酸素,少量の二酸化炭素,アルゴン,その他の多種の微量ガスから成り立っていますが,大気汚染の原因は,工場(硫黄酸化物,煤塵,窒素酸化物,鉛,カドミウム,フッ化水素,塩素,塩化水素)および自動車の排ガス(一酸化炭素,炭化水素,鉛化合物,窒素酸化物,粒子状物質)が大きな割合を占めています。

一般的な化石燃料の燃焼および自動車の排ガスが大きな割合を占めていますが,発電所の化石燃料の燃焼や化学工場の大量の汚染ガス,また核の実験や核エネルギーの放射性物質も’増え続けています。
また,環境汚染によって死亡する人が世界中で増え続ける中,大気汚染が最も大きな原因となっています。

2. 水の汚染・海洋汚染

water pollution 1 wh500安全な飲料水は人間が生きるために欠かせませんが,清潔で衛生的な水としての自然の水はすでに珍しくなっています。
特に発展途上国では汚染された土壌から汲み取った水が不衛生なため,多くの健康被害(コレラ、赤痢、A型肝炎、腸チフス)を引き起こしているだけではなく,毎日多くの幼児が命を落としています。

産業によって土壌が汚染され,不足しているきれいな水の提供はビジネスとなり,すべての人たちが平等に得られるべき水さえも「持てぬ人たち」には与えられることなく,政治・経済の被害を蒙った人たちの健康は犯され続けています。
海洋汚染は,人類が捨ててきた固体・液体・気体の廃棄物に加え,鉛,カドミウム,水銀のような有毒金属なども原因となっています。 

3: 土壌汚染

pollution 1 wh500地表に降る雨の約6割は蒸発して大気となり,残りの4割は土壌に浸透または河川などに流れ込んでいきます。
工業排水や農業の化学肥料などで汚染された土壌の水は,ひとえに人間が引き起こした問題であり,動物や植物に多大な被害をもたらし続けています。さまざまな生物・植物に生命を与えている土壌から栽培される食物によって生きている人類は,すでにそれらの食物を通して,多くの汚染物質を身体に取り込んでいるともいえます。
「土」なくして「食」もなく,「土」が健やかであれば貧困や気候変動などにも大きく寄与します。

 

 

4. 気候変動

climate change 2 wh500産業革命の時代からエネルギー取得のために危険な蓄積を続けてきた「温室効果ガス」を起因とする地球の温暖化による気候変動は,数十年前からようやく問題視されるようになった環境破壊の要素で,温暖化に伴う南極・北極・高山の氷河の溶解により,季節の天候の変動だけではなく新たな疾病ももたらしています。

 

 

 

 

 

5. 地球温暖化

climate change 1 wh500地球の温度は20世紀に入ってから平均 0.5 ℃上昇,21世紀の中旬までに 3 ℃上がるとみられ,二酸化炭素やメタンなどのガスの濃度上昇が温暖化の大きな原因であると考えられています。降雨量が増える地域や減る地域が出て来ると共に,氷が溶け,海水面は1.5メートル上昇すると予想されています。

 

 

 

 

 

6. 森林の破壊

forest 1 wh500

多数の植物・動物の生息地となっているだけではなく,地球の大気や気候の調整役を果たしている森林地帯,特に熱帯雨林の減少は全世界の気候に影響を及ぼします。
わずか100年前には地球の約30%が熱帯雨林に覆われていましたが,1988年にはわずか10%になり,さらに減少を続けています。
熱帯雨林のバイオームはすべてのバイオームの中で最も豊かで,大形動物は少ないものの,数多くの小動物が生息し,巨大な利用可能なエネルギーとなっています。
バイオーム(Bio: 生物 | Ome: 全体)とは,自然植生によって生態学的に分類された地球の生物群系・植物群系のことです。
 

 

7. 二酸化炭素排出量の増加

co2 1 wh500二酸化炭素の放出は地球の温暖化の主な原因です。大気中の二酸化炭素は産業革命の時期よりも約40%増加しており,環境会議における減少目標値の設定にもかかわらず,2020年はもちろん,2030年でさえCO2排出量の減少に転じることは困難であるとみられています。

 

 

 

 

 

8. 遺伝子改変

dna 1 wh500微生物を遺伝子工学で改造して新しい物質をつくる技術が開発されたのは1970年代。遺伝子工学とはバイオテクノロジー(生物工学)を応用した遺伝子操作のことです。
遺伝子工学によって栽培された食物は人間の健康に害を及ぼす可能性が高いことが指摘されています。また,それらの作物は人間だけではなく,あらゆる動物や植物に連鎖的に影響を及ぼすため,最終的に大きな環境汚染の原因となります。

 

 

 

9. 海の生物への悪影響

fish 1 wh500海に生息する生物の数は,陸上の生物よりもはるかに多く,顕微鏡的な大きさのプランクトンから,現在存在する動物として最大のシロナガスクジラまで変化に富んでいます。
海洋の生物群集の生産者は,大部分が微小なケイ藻類です。莫大な生産量の藻類は,すべての海洋生物の生存にとって基本的な存在です。
水中,海中,大気中に含まれる炭素の量が増えると,地球全体の環境に問題を及ぼします。人間でいえば骨粗鬆症のような症状が海中の小さな魚介類に表れます。
また,マイクロプラスチックと呼ばれる極小のプラスチックを多くの海洋生物が誤食して,被害は他の海洋生物だけではなく魚介類を食する人間にも健康にも影響を与え始めています。

 

10. 公衆衛生問題

aqua 1 wh500人類だけではなく,あらゆる生物が生きるために欠かせない「水」。これまでは少なくとも「きれいな水」はあったのに,もう汚染水しかなく,不衛生でも飲まざるを得ない人たちが増えているといいます。

ユニセフによると,6億6300万人が清潔な水源を身近に持たず,毎日800人の子供たちが衛生問題および汚水によって命を落としています。
もちろん,人間の健康だけではなく,多くの生物にも影響を与えています。

 

 

 

 

11. 人口過剰

overpopulation 1 wh500現在においても,生存に必要な最少限の,水,エネルギー,食物が地球上のすべての人に行き渡っていない状態。これからも人口過剰という状態が続くと,もはや人類の生存の持続不可能な危機に陥ります。
過剰な人口が地球温暖化と生物多様性危機を悪化させ,世界規模の社会経済的問題を引き起こしていると主張する地理学者もいます。
ただ,人口増加の予測についてはさまざまなデータが示されていますが,中でも国連は,世界の人口は現在の73億人が2050年には97億人,2100年には112億人にまで増えると発表しています。

 

 

 

12. 生物多様性の喪失

bird 1 wh500生物の多様性の喪失は,人類が環境に及ぼした影響を受けたもうひとつの結果です。
森林の伐採,大気や水の汚染,地球温暖化,人口過剰などによって,動植物の生息地を奪い続けてきた結果,3億5千年に及ぶ生物の自然の進化を破壊し,最終的に地球の環境に影響を及ぼしています。 

 

 

 

 

 

13. 一般廃棄物と産業廃棄物

garbage 1 wh500先進国においては必要以上のモノの使用,および世界中におけるプラスチック商品は土に戻らない廃棄物の問題を引き起こしています。開発途上国においては廃棄物の処理が行き届かず,土壌や水の汚染につながる悪循環を招いています。

 

 

 

 

 

 

14. オゾン層の破壊

earth burning 1 wh500太陽光線からの有害な紫外線Bを吸収してさえぎり,地球上の動植物の生命をまもっているオゾン層。
1980年代に南極でオゾン層が破壊されオゾンホールができていることが発見されて以来,オゾン層の破壊および地球温暖化の主な原因であるフロンガス排出製品の使用禁止や厳しい規制を設ける努力が続けられています。世界中で皮膚ガンや白内障にかかる人が増加していますが,その原因といわれているのが有害な紫外線です。

 

 

 

 

15. 採鉱

mining 1 wh500地球に蓄積された鉱物が産業に欠かせないものになって以来,続けられている採鉱。
現在,採掘されているのは多くは発展途上国ですが,貴重な外貨獲得の手段であるがために,自然破壊,土壌・河川の汚染,有害物質の排出,健康を害する労働,児童労働など,環境保全や人権を無視して行われているのが現状です。

 

 

 

 

 

16: 天然資源の枯渇

sea 1 wh500天然資源は日に日に自然の姿を失い,戻ることはありません。
エネルギー資源としての化石燃料の消費によって地球温暖化の最大の危機に達していることが叫ばれながら,枯渇するまで止まることはなく,北極・南極一帯の氷が解け,平均海面は上がり続けています。

 

 

 

 

 

17. 自然災害

hurricane 1 wh50021世紀に入って以来,地球の温暖化が原因と思われる自然災害が増え続けています。
20年以上前から頻繁に耳にする異常気象という表現も,もはやマンネリ化した感があります。地震,洪水,津波,暴風雨,火山の爆発など予測が困難なため多大な被害を起こし続けています。
地球の温暖化が主因であることは断定できないにしろ,河川の氾濫などが増え続けるであろうことは専門家の一致した意見で,人的・物的な被害が高いのは東南アジアやアフリカなどの発展途上国です。

 

 

 

18. 核問題

nuclear waste 1 wh500核の危険性が放射線にあることは事実ですが,少なくとも欧州諸国では核エネルギー施設に反対する理由は一貫して廃棄処理にあります。中性化まで何千年も要する原子力発電所の使用済み核燃料の保管は非常に慎重な対応を必要とするため,場所もなかなか定まっていません。

 

 

 

 

 

19. 絶滅危惧種の喪失

animal 1 wh500人間の活動によって自然の破壊が続いているのが現状ですが,動物の多様性が崩れることによってなぜ環境や人間の生活が脅かされるのかについては理解が広まっていないようです。
多様な生物が存在することによって長年の間に徐々に築き上げられてきた地球の生態システムが,人類によってわずか100年足らずの間に崩され,多くの動植物が喪失しています。
人口増加や経済成長を支えるとの理由で過去数十年に急激に破壊された自然の被害を動植物が蒙ったわけですが,土壌,河川,大気などの再生は,多様な生物の生態系なくして行われないのです。

 

 

20. 酸性雨

dying tree 1 wh500火山ガス,植物の腐敗,化石燃料の燃焼などにより排出される二酸化硫黄や窒素酸化物が大気中に増加し,有毒物質を含んだ降雨として地上に降りかかる酸性雨は,森林をはじめとする多くの生物に悪影響を与えます。
ドイツにおいても,南ドイツの黒い森地方やライン河などで1980年代は大きな被害を受けましたが,10年ほどの対策によってかなり取り戻した経験があります。

 

 

 

 

21. 農薬汚染

pollution 1 wh500殺虫剤,殺菌剤,除草剤,化学肥料など,害虫を除去して生産性を上げる化学製品を使用した近代農業に変わって久しいのですが,地下水汚染の原因として問題視されているのも農薬です。
土壌や河川の生息物を死滅させ,生態系に害を及ぼしている要因はさまざまで,その他の化学物質にも原因がありますが,農薬による土壌や地下水の汚染の影響は最も大きいとみられています。

法律によって使用量や使用範囲が定められているにもかかわらず,人畜への健康の被害だけではなく,環境が改善される気配は見えていません。

 

 

 

22. 光害と騒音公害

noise 1 wh500音が一定レベル以上になって不快を感じるようになると騒音。精神状態の混乱を招く,もうひとつの公害です。
工事現場,建設業,産業活動,工場,車両交通など,騒音公害を引き起こしている例は数多く,都市計画においても騒音に対する配慮が不足しているといえます。
ただ,ヨーロッパでは日本のようにやたらスピーカーから流れてくる騒音が少ないのは大きな救いです。

 

 

 

23. 都市乱開発

cities 1 wh500多くの人たちが都市へ集中するようになって以来,都市は膨らみ続き,都市開発も乱開発といえるほど,数多くの問題を引き起こしています。
自然から元来離れた都市は,多くの人々の生活を可能にする住居とインフラのみに集中して開発されることが多く,快適な生活環境や環境への配慮は後回しになり,あらゆる汚染の溜まり場にもなっています。

 

 

 

 

 

24. 医療廃棄物

chemicals 1 wh500医療廃棄物とは,病院,歯科クリニック,老人ホームなどの医療施設から廃棄物として出される大量の医療廃棄物のことで,生物学的にも危険な性質を持った廃棄物です。注射器,洗浄器,手袋,チューブ,メス,血液,身体の一部など,多種多様です。 

 

 

 

 

 

25. ゴミの投げ捨てとゴミ処理地

disposal 1 wh500リサイクリングされるわけではなく,ゴミ箱にでもなく,道路をはじめ,あらゆる場所にただ投げ捨てられるポイ捨てゴミ。
土壌や大気などを汚染するだけではなく,清掃のために多大な費用を要する経済問題も引き起こします。