Arbeiten in Deutschland
ドイツで働く


arbeit 3Arbeit und Beruf
職業と就労

Zugang zum Arbeitsmarkt
就職への道

日本人がドイツでの就労・就職を希望する場合,まず状況によって異なります。

  • 居住地がドイツ国外で,渡独前に労働許可を必要とする人
  • ドイツで大学など,教育課程を修了した人
  • ドイツに居住して,すでに労働許可を取得している人
  • 配偶者がドイツ人または永住権取得者で,長期滞在許可を取得している人

日系企業の転勤などで,すでに就労する会社が決まっている人については,ここでは対象外とします。 単にドイツで働きたいといっても,形はさまざまですが,最初は労働契約書がないと労働許可が得られないので非常に大変だと思います。応募者の労働許可の面倒までみて働いて欲しいと望む使用者は,日系企業や研究機関など,非常に限られています。使用者としては,ドイツ国内での募集で従業員を見つけることができなかったことを証明する必要があるのです。その点,日本食レストランなどの従業員は,労働許可を取得できる可能性が高いとはいわれますが,本人が別のキャリアを希望している場合は,レストランで働いている期間が人生の無駄な時期になってしまいます。社会保障費などを支払い,正式な労働契約の下で5年間働いた後は,通常は自由に職を選択できる労働許可を取得することができます。

または,短期であっても,滞在許可・労働許可を所得してドイツに住み始めている人は,日本で取得した資格をドイツで通用する資格証明書として申請することをお勧めします。

Anerkennung ausländischer Berufsabschlüsse
外国の職業資格の認定

日本をはじめとする外国で取得した職業の資格免状がドイツで通用するのか,などについては職業組合または自治体などで問合せる必要があります。

Arbeitssuche
職探し

ドイツでは,日本のように,大卒と同時に一斉に就職,ということはありませんが,キャリアのために転職を求める人は日本より多いので,職を探している人は常時非常にたくさんいます。数十社以上の会社に手紙・履歴書を送るのは普通ですが,それでもインターネットによって大きく変わったことも事実です。 いわゆる日本語の意味でのアルバイトではなく,本職を求める人は,下記のような出来るだけ多くの可能性にあたられることを推奨します。

  • 自治体の就職支援助言
    Berufsinformationszentren (BIZ) der Agenturen für Arbeiten
    とにかく相談してみると,すぐに職は見つからなくてもヒントが得られるかも知れません。
  • インターネット検索
    Job, Jobsuche, Stellenangebote などのキーワードで多くのサイトが検索されますが,多くは同じデータベースから収集しているので重複しています。
    Jobbörse(職安のデータベースが多い)
  • インターネット登録
    XING
    形態はアメリカのLinkedInと同じですが,ドイツ生まれのヴェンチャー企業で,リクルート関連ではドイツ最大のシェアを有し,多くの大企業のHR(人事部)も登録しています。ですから,ポーテンシャルの高い潜在雇用主に自分をアピールする感覚なので,求職というよりも自分を発見してもらう感じです。大学卒業間近の人は勿論,転職などにおいても活用価値は高いと思います。
  • 新聞広告(水曜・土曜版が多い)
    地方新聞や無料新聞などにも求人欄はありますが,以下のような名のある全国紙の方が水準が高いです。ただ,日本人優遇または条件とするような職は非常に少ないと思った方がいいと思います。
    Süddeutsche Zeitung
    Frankfurter Allgemeine Zeitung
    Frankfurter Rundschau
    Die Zeit
  • 人材派遣会社への登録
    人材派遣業は高収入ビジネスなので,非常に多くあります。求職者は無料ですので,登録しておくに越したことはありませんが,数社に絞った方がいいかも知れません。その際,個人情報をどのように管理・保管・処分するのか,および登録条件などを必ず確認してください。
  • 応募の手紙と履歴書
    手紙は1枚にまとめ,募集条件に応える自信を明示する
    日本で取得した各証明書は前もってドイツ語に翻訳

ドイツ職安で提供されている面接支援訓練を受けるのも役立つかも知れません。

Arbeitsvertrag
労働契約書

法律上は,書面による契約を交わさなくても,口頭で請けた仕事も労働契約として成立します。しかし,問題または誤解があったときに証明が困難になります。それで,アルバイトとして電話などで「何日何時間でいくら」などという仕事を請ける場合でも,確認メールなどを出しておくと万が一の場合の安全策になります。
長期または正式な職では,必ず書面による労働契約書を交わし,使用者と自分の署名が記された複製を保管しておくことが大切です。もし,口頭で交わした労働契約の下ですでに働き始めたのであれば,使用者に契約書を作成してくれるよう頼むことができます。法律上は,非雇用者からの依頼に沿って使用者が書面による労働契約書の作成義務を負うのは,労働契約開始後1ヶ月ですが,その後でも使用者に申し入れるべきです。もし,作成を拒むような雇用主だったら,問題有りですので,知り合いまたは自治体の労働局などへの相談をお勧めします。仕事を辞めてもいいつもりなら別ですが,通常は仕事を続けるわけですから,喧嘩腰になって関係がギスギスするよりも,気にしないふりとして,別の場所で情報収集なり相談なりをされたら良いでしょう。

Arbeitsrecht
労働法

ドイツ労働法に定められた1週間の勤労時間は40時間,最大でも48時間です。状況に応じて最大60時間まで許可されていますが,6ヶ月以内に全労働時間の相殺が行われることが条件です。

Bezahlter Urlaub
有給休暇

1週間に5日間働いている人は,年間に最低20日間の休暇を得る権利を有します。 青少年の休暇の請求権利はさらに長くなります。
16才以下(25日以上),17才以下(23日以上),18才以下(21日以上)

Fehlen wegen Krankheit
病欠

病気になった場合,使用者は最大6週間,全給与を支払う義務を負います。病欠が6週間を超えると,法的健康保険加入者の場合は,健康保険会社が給与の70%を支払います。民間保険は保険会社によって異なります。
病欠する場合は,基本的には就労契約書に記されている規定に従いますが,記されていない場合は,すぐ(病欠する日)に使用者に通知する標準的な義務に従います。3日以上の病欠の場合は,遅くとも4日目に医師の診断書(Attest)を使用者に提出します。もし,その前に使用者から診断書の提出を要求された場合は,それに従う義務があります。
注)どのような病気であるかについて,使用者に伝える必要はありません。秘密の個人情報として,診断書にも病名が記されることはありません。

arbeit 1Kündigungsschutz
解雇保護

従業員が10名以上の会社の場合,ドイツでは解雇保護法が適用されます。病気などの理由で長期間就労できなくなったり,女性ならば妊娠前や出産後の一定期間休む権利があるので,特に大事です。期間は会社での勤労年数によって異なりますが,労働契約書にも記載されていますので,労働契約時点での確認をお勧めします。

Einkommen und Steuern
所得と所得税

Unfallversicherung
災害保険

災害保険は,Arbeitsunfällen(労災)またはBerufskrankheiten(職業病)による財政を援助するものです。労災には,職場と家との往復路での事故も含まれます。

Arbeitslosenversicherung
失業保険

ドイツでは基本的に全被用者(雇用者)は失業保険への加入が義務付けられています。加入手続きは使用者が行い,金額は,使用者と被用者それぞれ半分づつ負担します。パートタイムまたは季節労働者のような期限付きの短期間(短時間)の労働の場合は任意になりますが,失業保険自体も,全日労働,パートタイム労働,期限付き労働の失業保険の3種類に分かれています。

Absicherung bei Arbeitslosigkeit
失業した際の生活保障

失業した場合は,失業期間の財政や新たな仕事探しの支援だけではなく,状況に応じて新たな研修や学習によって職が見つけやすいと判断された場合はそれらの費用も支払われます。

Arbeitslosengeld
失業手当

失業前に12ヶ月以上,社会保障支払い義務を伴う職に就いていた場合に支払われます。条件を満たしているか,連邦雇用庁による審査が行われます。支払いは,54才までの年齢の人には最大12ヶ月,55才以上は最大18ヶ月,58才以上は最大24ヶ月支払われます。

遅くとも解雇される3ヶ月前までに,受けた解雇通知および新たな職場探しに関する届出を連邦雇用庁に提出する必要があります。解雇通知を受けているのに期日までに提出しなかった場合は,失業手当が減額されることもあります。また,解雇通知を急に受けた場合は,通知された3日後までに,解雇通知書を添えて届出を提出しなければなりません。いずれの場合においても,本人が自ら提出します。

Arbeitslosengeld II
失業手当 II

失業期間が失業手当の供与期間を越えた場合は,失業手当IIの支給を申請することができます。失業手当IIは,長期失業者だけではなく,失業保険を支払っていない人でも,生活費が少ない人であれば,誰でも申請できる,生活補助の手当てです。働ける,働く意思があることが条件ですが,現在働いていても給与が少なすぎて生活費が不足している人も申請できます。


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