ヨーロッパの田舎
素朴で偉大な田舎が豊富なスイス
イタリア国境に近いスイスの深い谷間。
車が通ることもない,狭い道の行き止まりの村。お昼というのに,通りには人影ひとりみえない。住人は百人前後らしい。村の真ん中にある教会も空っぽ。誰も来ないのか,廃墟のような感じだった。
しかし,なんと15分おきに教会の鐘が鳴る。
まさに鳥のさえずりと風のささやき以外の音はないほどの静けさの中で,毎日毎日,24時間,教会の鐘だけが強烈な大きさで響き渡る。
1時は1回,2時は2回,その昔,庶民は時計など持っていない時代ならば時刻を知る大きな役割があったと思われるけど,う〜ん,この現代に。
その鐘の前の簡素な平屋がアメリカ人女性が経営しているホステルだった。共同の炊事場やバーベキュー焼き場なども中庭にあり,素朴さがとてもいい。
村は,中世に建てられてから改築など一度も行っていないような,窓も無いか,極端に小さい石造りの平屋続き。
住民には会わなかったけれども,近くの川は底まで青く澄み,氷水のように冷たかった。
ただ,夜中もずっと,強烈な鐘の音が耳に響き続け,寝不足になったけれども・・・