IT・電話・インターネット
ドイツで求めるプリペイドSIMカード
携帯電話の新しい番号取得には VideoID が必要
安価で契約に縛られないプリペイドカードですが,2017年7月1日を以って本人確認の認証が厳しくなりました。
EUで定められた基準ですが,携帯電話の番号を新規に登録する場合ですので,2017年7月以前にすでに登録してドイツの携帯電話番号を取得している人には適用されず,改めて身元の認証(オンライン Video ID / Web ID)が行われることもありません。
つまり,これまでと変わらず,どこで購入した新しいプリペイドカードも継続して使用できます。
すでにプリペイドカードを持っている人が何らかの理由で新たな電話番号を申請してプリペイドカードを購入する場合でも,以前の登録情報との比較は行われないので,理論的には同一情報である必要はありません。(将来的には分かりませんが)
やっぱり安いプリペイド
・・・には違いありませんが,長時間の携帯電話通話を頻繁に行ったり,インターネット閲覧にもプリペイドを利用したい人には安上がりにならないので,そういう人は使用料を想定した契約パックを考慮されたほうがいいでしょう。
プリペイドSIMカードの購入権利
基本的には,身分証明書を有する,どの国籍の人もドイツ国内でプリペイド用SIMカードを購入する権利を有することになっています。
しかし実際は,登録拒否されたり,登録完了まで数週間以上も待たされる国(国籍の人)もあるようです。
日本国籍は問題ありません。身分証明書は,国籍によって異なりますが,大体においてドイツ人などEU諸国の国籍の人は,パスポートまたは身分証明書(IDカード),日本国籍の人はパスポートのみです(eATカード不可)。
滞在許可を有するドイツ居住者である必要はなく,一時的にドイツ滞在している旅行者でも購入できます。
また,日本でプリペイドSIMカードを挿入した携帯電話はデータ送受信に限られているようなことは書いてありましたが,ドイツは逆に,プリペイドでも,通話,SMS,データ通信(インターネット閲覧)のすべてが含まれています。ただ,容量だけではなくインターネット閲覧でも9セント/分の料金が標準ですのでご注意を。
プリペイドSIMカードを提供している通信キャリア
ドイツで活動している通信事業者は,テレコム,ヴォーダフォーン,O2の3社のみです。
2017年にE-PlusがスペインのTelefónica傘下の O2に買収されるなど,過去数年の間にドイツ国内の通信事業はこれら3社の寡占市場となっています。
そして,これら3社のいずれかに通信網を借りて商売をしている数多くの携帯電話会社(MVNO)が,プリペイド通信の格安料金の提供を主事業としています。競争も激しいせいか,料金も安く,ドイツの携帯電話のプリペイド市場はMVNOが4割シェアという,世界最大の市場占有率になっています。
プリペイドSIMカードの購入方法
プリペイド用SIMカードは,ドイツに住んでいる方はご存知のように,スーパーマーケット,ディスカウンター,ドラッグストアー,家電ストアーをはじめ,多くの店舗やキオスクで購入することができます。
ただ,SIMカード自体の購入はできますが,新番号・新登録の場合は,以前のようにオンラインによる PIN の記入だけでは完了しません。
プリペイドSIMカードの登録,本人認証から開通まで
店舗で登録を依頼できるのは某店舗で購入したSIMカードのみ
基本的には,SIMカードの販売店は当店で購入されたカードに限って登録サービスを行っていますので,同じ会社のSIMカードでも他店で購入されたSIMカード登録は拒否されるか,手数料を要求されるのが一般的です。従って,自分自身でオンライン登録およびビデオ認証手続きを行わないのであれば,スーパーなどではなく,正規の通信キャリアの店舗で購入して登録まで行ってもらってください。
旅行者など,オンライン登録や住所証明の取得が面倒な人たちのためのヒント
一般的には通信キャリア(上記3社)の直営店での購入の場合が,登録から開通まで最もスムースに進むといわれていますが,テレコムがやや居住証明にこだわるようです。
テレコムに限らず,自宅のDSL回線契約をすでにしているドイツ在住邦人が,同じ契約会社が提供している携帯電話通信やプリペイドカードを申請する場合は,オンラインでスムースに進みます。
ただ,上記のように VideoID チェックのためにカメラ付き媒体(PC, Notebook, Tablett)またはスマートフォンが必要です。
料金からいえば,オンラインテレコム,ヴォーダフォン,O2のテナントである他のMVNO携帯会社(congstar, Lebara,Otelo, Fyve, Lycamobile,Blauworld, , Ortel mobile, WhatsApp SIM, K-Classic Mobil, Fonic)のほうが明らかに安いです。
筆者も自宅のDSL回線はテレコム,携帯電話は E-Plus(昨年O2に吸収)を利用しています。ただ,各店舗によって対応が異なるようですので,これらのSIM カードも自力登録者のみが対象と言えそうです。特にスーパーチェーン(Penny Mobil, EDEKA mobil, ja!mobil, LIDL Connect,ALDI Talk, NettoKOM)のカードは安くても店舗では登録手続き不可,またはスタッフの知識・対応レベルが想定できないため,自力でオンライン登録手続きを行える人以外にはお奨めできません。
スマートフォーンから登録を行う場合はSIMカードを挿入した時点で登録画面が表示されます。
PCの場合は各通信キャリアのWEBサイトの登録ページから行いますが,本人認証のためにカメラ付きPC・ノートブック・タブレットであることが必要です。
本人の認証方法は,上記サイト上のビデオでパスポートを提示,何らかの事情でできない場合は郵便局で本人確認を行うこともできます。ただ,郵便局の場合は,郵便局の職員のチェック後,ファックス,メール,オンラインなどで通信キャリアに認証情報を送った後,開通するまで最大5日間を要します。オンラインの場合は,認証終了後早ければ数時間,遅くとも24時間以内に使用できるようになります。
登録には現住所が必要ですが,実際に存在する住所であれば「基本的には」有効です。この住所の有効性のチェックが明確に定められておらず,会社や店舗によって対応が異なることが問題のようです。つまり各社の方針で,何らかの居住証明を求められ,上記3社の中ではテレコムが最も厳しいようです。役所が発行する公的な居住証明書(Einwohnermeldeschein)は偶然所持しているならばベストですが,必要性はありません。ホテルやアパート,または旅行者であれば知人宅などの居住証明書もベターですが,必ずしも必要というわけではありません。
Comments powered by CComment