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環境ゾーンと環境ステッカー
Umweltzone & Umweltplakette
自動車の環境ゾーンは,2008年に発効されたEU規定を基に欧州各国で独自に導入されています。ドイツでも,粉塵および二酸化炭素に対する健康保護のために,現在ではほとんどのドイツ都市は緑のステッカーなしで走行できないグリーンゾーンに指定されています。
ステッカーはドイツ全土で有効ですが,ドイツ国外で登録された車に対しても同様の規制が適用されますので,緑のステッカーなしではドイツの多くの都市に(車で)入ることはできません。
グリーンゾーンのドイツ都市マップ
3種類(赤,黄色,緑)のどのステッカーを取得できるかは,欧州規定の排ガスクラスに準じます(自動車に貼ってある排ガス検査ラベル)。排ガス検査ラベルで明示的に判断できない場合は,自動車の車種および登録年数に沿って決められます。
緑が最良,黄色が中,赤が一番下のクラスです。
ベンツがシュトゥットガルトを走れなくなる?
循環器系や心臓病の原因となっている窒素酸化物(NOx)はEU全域で,1立方メートルあたり最大40マイクログラムと定められ,これまでEUは度々ドイツを警告してきましたが受け入れられないため,2015年にEU規定違反でドイツを告訴しています。
これまでは測定値を基にクリーンなディーゼル車を主張していたドイツも,実際はフォルクスワーゲンをはじめとする多くのドイツ・ディーゼル車が最大値の10倍もの窒素酸化物を排出していることが最近明確になり,現在喧々諤々の討論が繰り返されていることはニュースなどでご存知のとおりです。
現在,都市から締め出される可能性のあるディーゼル車はドイツに1300万台。特に自動車都市シュトゥットガルトにベンツなどが入れなくなるかもという,笑うに笑えない現状なのですが,実際にシュトゥットガルトの街中を走った人はあまりの交通渋滞と大気汚染に驚かれるはずです。
緑の党首の地元でも困難な課題なのか,緑の党も自動車産業の意に妥協せざるを得なかったのかは知る由もありませんが・・・
現在のところ,ディーゼル車は粒子フィルターなど,粒子削減システム(PMS: Partikelminderungssystem)を取り付けることによって上クラスのステッカーを取得できることになっていますので,ディーゼル車の所有者は整備工場などで相談されることをお奨めします。
一般的には,中都市以上の規模の町はグリーンゾーンとなっていますが,小さな町でも環境を重んじる政策でグリーンゾーンに指定されている町もあります。それらの町の場合,いずれかのステッカーがフロントガラスに貼られていないと入ることはできず,町の境界に左のような標識が立てられています。
赤色: 排ガスの汚染度クラス2
黄色: 排ガスの汚染度クラス3
緑色: 排ガスの汚染度クラス4
環境ゾーンに指定されていない他の道路はステッカーなしで走行できます。ドイツの都市に住んでいる人は車にグリーンのステッカーが貼られているはずですので,どこに行くのにも問題はありませんが,地方の住民やドイツ国外からドイツ都市を訪問する人は,町の境界で公共路線に乗り換えるか,ステッカーを購入する必要があります。
ドイツの環境ステッカーの取得方法
環境ステッカー(Umweltplakette)は,陸運局,自動車整備工場,車検場などで求めることができますが,排ガス検査を行う許可を取得しているガソリンスタンドでも購入できます。独立した陸運局がない地方の場合やドイツ旅行者は,最寄の自動車(Kraftfahrzeug) Zulassungsstelle で求めることができます。小さな自治体の場合は役所の一般業務に属していますので,キーワード "Zulassungsstelle" を基に探してみてください。
訪問先が決まっている場合は,予めメール,ファックス,郵便,インターネットなどで購入することも可能です。その場合,ステッカーは郵送となりますので,5-10ユーロの手数料および切手代が加算されます。
ステッカーなしでステッカー要の町に入ると,2017年現在80ユーロの罰金を課されます。
ブルーのステッカーはいつから?
大都市はグリーンのみの車両に規制したにもかかわらず効果が現れないため,さらに厳しい条件を課したブルーの環境ステッカーの導入が決定されたのですが,導入期日についてはまだ決まっていません。
しかし基本的な車両条件は決まっていますので,次のような自動車の所有者は安心して結構です。
ディーゼル車(ユーロ排ガス基準6)
ガソリン車(ユーロ排ガス基準6)
電気自動車
ブルーのステッカーの取得可否を調べる
車検証の第16項の初め(Teil I)に上記のユーロ排ガス基準番号が記されています。
満たされている車は自動的にブルーのステッカーに切り替えることができます。
ユーロ排ガス基準 - "Abgasnorm Euro"
ディーゼル車が禁止される都市
ブルーの環境ステッカーの導入に伴い,ドイツが欧州連合と妥協案を見つけない限り,現在のままでは下記の都市がディーゼル車進入禁止になります。
Aachen(アーヘン)
Berlin(ベルリン)
Essen(エッセン)
Dortmund(ドルトムンド)
Freiburg(フライブルク)
Köln(ケルン)
Düsseldorf(デュッセルドルフ)
Hagen(ハーゲン)
Oberhausen(オーバーハウゼン)
Kassel(カッセル)
Mainz(マインツ)
Hamburg(ハンブルク)
Stuttgart(シュトゥットガルト)
München(ミュンヘン)
しかし,現在のところ,上記都市でディーゼル車が禁止になっても経済生活の不便を最少限に抑えるために,都市内の最も汚染度の高い地区に限られるだろうと予測されています。
ヨーロッパの環境ゾーン指定都市インフォメーションおよびアプリのダウンロード
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