Versicherungen und Renten
ドイツの保険と年金
生活に欠かせない保険とは?
海外で生活をはじめると何かと不安になり,いきおい多くの保険に入りがちですが,一旦契約すると解約がむずかしい保険は,無駄に加入すると結構な金額になりますので,まずは必要最少限の保険を選択したほうがいいと思います。
健康保険は必要と言う以前に,海外旅行保険で賄う旅行者や短期滞在者でない限り,滞在許可を取得する上で最も重要な条件ですので「健康保険の選び方」の方がテーマになると思います。
健康保険について
生活必須および推奨の保険
賠償責任保険(private Haftpflichtversicherung)
悪意がなくても,他人のモノや身体に障害を与えた場合の賠償責任保険です。お子さんがいる家庭は,自転車を誤って倒して車を傷つけるなど,いつ何が起こるか分からないので必須ですが,独り者でも健康保険に次いでドイツ生活に必要だと思います。
年間20余ユーロぐらいからあるので,別に負担を考えるほどの額でもありません。
保険金額(20-200 ユーロ/年)
賠償責任保険の金額計算サイト
就業不能保険(Berufsunfähigkeitsversicherung)
短期間の病気や事故の場合は健康保険や失業保険でカバーされるので生活自体にはさほど困りませんが,長期または生涯の就業不能に陥るリスクは労働者だけではなく誰にでもあるので,ドイツに長期滞在する意図がある人は加入必須ともいえる保険です。基本的に短期間の病気などは就業不能として認められず,「就業不能」の条件も詳細に定められていますが,身体の障害だけではなく精神的な病も含まれています。
特に,健康状態や年齢によって保険料が大きく異なるので,健康で若い内から加入していた方がメリットは高いです。
保険金額(50-500 ユーロ/月)
海外旅行医療保険(Auslandsreisekrankenversicherung)
日本語で海外旅行保険という用語が一般化しているので「海外」と書きましたが,正確には「国外」で,ドイツを一歩出た際の医療保険です。ただ,健康保険もEU諸国共通に近づき,欧州諸国内の旅行(滞在ではない)中の病気や入院などはドイツ国内と同じように健康保険証を提示するだけになっているので,本当に必要といえるのはEU圏外への旅行ともいえます。
保険金額(20-100 ユーロ/年)
歯科治療補助保険(Zahnzusatzversicherung)
ドイツでは定期的な(1年に一回が推奨)歯の検査や基本的な治療は無料または保険会社が部分的に負担しますが,高額な治療は健康保険の対象外となりますので,特に「いつか危なくなる」予感のある人は丈夫な時期から加入しておくと少額で収まります。逆に云えば,中年以上になってから加入しても高額なのでメリットはあまりありません。また,インプラントは基本的に含みません。
保険金額(20-50 ユーロ/月)
平均以上の収入の自営業者に必要と思われる保険
上記の保険に加え,
リスク生命保険(Risikolebensversicherung)
不動産購入のローンをはじめとする負債が残っていたり,収入が全て生活費だった貯蓄ゼロの状態で,収入頭に死亡されると,残された家族は一瞬にして路頭に迷うので,特にひとりの収入で生活を支えている家族には必須といえる保険です。
結婚していないパートナー同士の場合は,別々の契約が勧められています。
疾病給付金保険(Krankentagegeld)
病気によって就労できない期間,収入が入らない人や法的健康保険で疾病手当を受けられない人は,就労不能な日数に応じて支給される疾病給付金保険は必要といえます。反して,入院日数のみに応じて支払われる入院給付金保険(Krankenhaustagegeldversicherung)は不要です。
訴訟保険(Rechtsschutzversicherung)
訴える,訴えられるなど,あらゆる訴訟が発生した際の弁護士費用をカバーする保険です。日本と比較して裁判に持ち込まれるケースが多いドイツですが,一般の人たちに必須な保険とはいえません。ただ,賃貸アパートや自動車事故の訴訟は発生する可能性が高いので,自動車保険や借家人組合加盟費と併せての加入は確認してください。
結婚,子供,不動産購入など,生活環境が変わったら,改めて保険を見直すことをお奨めします。
その他の「不要な」保険
生命保険(Lebensversicherung)
生命保険はもはや保険というよりも貯蓄方法のひとつになっているので,保険としては不要といえます。
死亡保険(Sterbegeldversicherung)
ドイツは日本と異なり,著名人でない限り仰々しい葬式は一般市民は行わないので,金がないから葬式ができないということはまずないと思います。従って不要。
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