静けさに浸る

ナポリを望む素朴な島

capri W450H360光スポットとして知られる場所は,まずどこでも多くの人であふれている。
風光明媚ならば観光客が多いのは当たり前,観光客が多いほうがテンションが上がるという人もいると思うけれども,ぼくは観光客が多い雰囲気自体が苦手なので通常は避ける。
ソレントから小さな船でカプリ島に渡った。有名どころを一応見ておこうと思ったのだ。
船が着いて,すぐに嫌気がさした。小さな波止場にあまりにも多くの観光客がわんさといて,気のせいか,地元の人たちも金を落とすよそ者にチヤホヤしている感じだった。
見ないで引き返すのは悔しいので,島を登ることにした。小道を歩き始めると急に人影がなくなった。
しばらく歩くと岩と原っぱの道なき道で,すぐに頂上(海抜数十メートルぐらい)に着いた。
困った。どうしよう。どっちに行こうか迷っていると,目の前に大きな穴があった。あ,危ない,落ちたら大変だ。
下を除くと,紺碧の水が輝いていた。そして多くのボートに乗って廻っている観光客がいた。
偶然にも「青の洞窟」に出会い,真上から眺める機会を得たことに有頂天になった。
そして,しばらく,眼下でゆらゆら動く小舟や人々も気にならないほど,真っ青な海と空を望む静けさを満喫した。

ischia W600H300波止場に帰ると,またというか,まだ観光客で溢れかえっていた。
あまり考えないようにして真っ直ぐに陸地に戻り,改めてカプリ島の先のイスキア島行きの船に乗った。
アマルフィ海岸やカプリ島を見てしまったので,やや褪せた感じがするけれども,贅沢は言わない。
船が発着する波止場はざわざわしているので,とにかく港を離れようと思い,歩きながらヒッチハイクを試みたらすぐに止まってくれた。
ただ,どうぞ,といってくれたのはスクーターの青年。
後席に乗って走り出した。結構,風が気持ちいい。
「どこに行くの?」「アテはない。どっか安くて泊まれるとこないかな」
するとしばらくして結構大きなホテルの前で止まって,聞いてきてくれた。
「部屋はあるらしいよ」
Mille Grazie!!

飲み物は別料金ながら,ビュッフェ形式の朝夕食付きでかなり安かった。
夕食はドイツ人の団体でいっぱいだったけれども,バイキングのような食べ放題で赤ワインも大カラフを頼んで大満足。
あとで聞いたところによると,ドイツ人団体に欠員が出ていたから部屋が空いていたとのことだった。

部屋も広く,わずかながら海も見える。
浴室は,地中海風というか,アラビア文化に影響を受けたようなタイルで壁も床も敷き詰められ,シャワーにはカーテンもないので広い浴室にお湯を飛ばし放題。
このとき以来,地中海デザインのタイルがとても気にいるようになった。

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